=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策⑨
月刊 異世界農業 第3号
=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策⑨
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〜アグリカ王宮 西棟〜
「さぁ、着いたぞ。」
王宮というより牢獄のようにしか見えない独特の雰囲気がある場所に着いた。
「こちらへ。」
「はい…」
しばらく歩いた先の部屋に通された。
殺風景な部屋で
机と椅子が対面同士で座れるように2つ
あるのはそれだけだ。
俺は奥に促された。
「さて、お話し伺います。」
ストライザーさんは公的な聴取の場合議事録が取られる影響もあるのか、丁寧な言葉になった。
「はい。」
「まず、状況から。農業ギルド、ミノル=ホランド氏が使用した魔力アイテムにより西の森にて爆発が発生。20ラトアドルほど損壊。」
「ここまでは、事実ですか?」
「はい。記憶が一部無いですが間違いないです。」
「では、この魔力アイテムはどのような目的で使用されたのですか?」
「農作物をラスティアから守るべく、ラスティアが嫌がる音を探る実験を行っていました。
「その音が出る魔力アイテムの効果を知った上での実験という事ですか?」
うーん。ほぼ知らないんだよなぁ。
モスキート音出すくらいだと思ってたしなぁ。
「何かしらの音がでるのは聞いていますが、あのような性質のものとは知りませんでした。」
ストライザーさんは何かをチラッと見た。
「ふむ。今のところ、嘘は無いようですね。」
セーフ。なのかな?
「次に、あの魔力アイテムは何を参考にどのように作られたか知っていますか?」
「いえ、用意されていたものを使用しただけなので分かりません。」
「ふむ。分かりました。」
「では、ここまで。」
終わった。フェントさん…大丈夫だろか、やばくない?この状況。。。
「悪意が無かったということで、軽い処分はあるだろうが、まぁそれくらいで済むだろう。」
「はい…。」
なんか、5分か10分程度の時間だったが
1時間にも感じれる時間だった。
「よし、ギルドまで送ってやってくれ!」
団員にギルドまで送ってもらった。
今回の事で、こっちの世界のよくわからないものは使わないようにしようと心に決めたのであった。
〜農業ギルド〜
すっかり日も落ちかけてきている。
「ただいま、戻りました…」
「おう!大丈夫だったか!」
「心配しましたよ。」
「ご迷惑おかけしました。」
ギルド長とヤンマさんが心配して待っていてくれた。
今日あった旨を報告し、
明日は休んでいいからゆっくりしなさいとのギルド長の提案に甘える事にした。
今回、魔獣の傾向と対策について、分かったこと。
魔獣に勝っても負けても大変な日になるぞ!
という事で!
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その後
王宮からの連絡があり
1ヵ月間、農業ギルドでの勤務停止及びその期間、騎士団に出向という処分に決まった。
俺的には大出世じゃん!なんて思っていたけど
他の職員は、この世の終わりに行くような顔をしてたのが気にかかるが、この話はまたいつかすることにしよう。




