異世界での農業の始め方特集 異世界での農業の始め方③
=月刊 異世界農業 創刊号 =
異世界での農業の始め方特集 異世界での農業の始め方③
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いざ、今日は王都へ出発だ。
王都へは馬車?で2日ほどの距離である。
俺が馬車?って思っているのは、荷車を引っ張ってるのは明らかに別の何かだ。
甲羅がついていて、首が長い。
色は深い緑。
耳は赤い。
俺が知っている近いものはアカミミガメだ。
異様にスタイリッシュなアカミミガメだ。
この世界ではこれが馬なのだろうか。
この世界の文明レベルは
中世くらいだろうか。
領地の壁に囲まれている場所以外は大体が更地で建物が建っているようには見えない。
領地内の建物は、レンガ積みのせいぜい3階建ての建物がある程度。
陸路は特に公共機関があるわけでは無く
このカメが往来している。
二日間の旅は、平原をひたすら走る時間であった。
「ミノル様。王都に到着しました。」
「ありがとう。ごくろうさまでした。」
「いえいえ。私はここで荷物の番をしておりますので、中央教会へいってらっしゃいませ。」
「わかった。いってくる。」
王都マッセイはアグリカ王国の中心都市で
アグリカ王国の技術が全てつぎ込まれているという場所らしい。
都市内では路線電車のようなものが走っている。
おそらく魔力的な何かで動いているのであろう。
都市内は広大でこの路面電車にのらないと移動は大変だ。
成人の儀はこの王都にある中央教会で行われる。
〜中央教会〜
「すいません。成人の儀の受付に来ました。」
「はい。成人の儀ですね。お名前は?」
「ホランド家のミノル=ホランドと申します。」
「ミノル=ホランド...ございました。」
「それでは奥の神殿へどうぞ。」
受付を抜けると
5mはあるだろうか...大きな扉がそこにある。
創造神様が出入りするためにこの大きさなんだとか。
我々はもちろん小さい扉から入るんだけどね!
中に入ると遠くの方に神官と思われる人影が見える。
「ミノル=ホランドですね。こちらへどうぞ。」
「はい。」
「それではまず、成人の儀の説明を致しますね。」
「ここにある水晶に手を掲げると資質が現れます。」
「資質は、特に強い要素があなたの適正な資質となります。」
「それではこちらに手を掲げてください。」
と言われるままに水晶に手を掲げた。
すると
一面に緑の光が広がり強く輝いた。
「おお。これは珍しい。ここまで強い光は見たことありません。」
えっ!もしかして最高の資質もってました系かな!
俺つよパターンかな!
将来安泰かな!
「で...なんの資質だったのでしょうか?」
「これは特級印の生産資質」
「せ...生産」
「そう。農業の特級印です!」
「の、、、、のうぎょぉぉぉぉおおおおお!」
「他にも上級印の剛剣もお持ちですよ。」
この世界は農業というのはもっとも文明が遅れている。
特級だろうが下級だろうがもっとも欲しくないハズレ資質だ。
そして、剣の名門貴族なんだぞ!
なんて日だ!!!!
「特級印は1時代に1人いるかいないかのめずらしい資質になるので農業ギルドの方へは報告しておきます。」
「は...はい」
その一人が俺じゃなくてもよかっただろう。




