=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策⑦
月刊 異世界農業 第3号
=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策⑦
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「ちなみにな。アイツは幼馴染でフェント=ヴァリオといって家は、ウチと同じ侯爵家だ。」
「ほぇー。」
「アイツが侯爵ってわけじゃないから気にすることないぞ!ハッハッハ。」
バカ丸出しだな。
とか会話しながら歩いていく先に見えたのは
一見、ただの小さい家にたどり着いた。
「ここよ!さぁ入って。」
「お邪魔します。」
と入ると家具一つ置いてない空き家みたいな部屋だった。
「色々扱ってるからセキュリティって大事なのよ。」
と話しつつ
壁のいくつかを触り始めた途端、
通路が現れた。
「わっ!」
思わず声が出た。
「この奥よ。」
「こういうところが変なやつだろ?」
とヤンマさんが小さく言った。
「ヤンマ?聞こえてるわよ。」
「気のせいだろ!」
「あははは。」
そして広がった部屋の先には
あっちの世界でも見た事がある様な無いようなの品が並んでいた。
「すごいでしょ?コレとか最近気に入ってるの!」
と見せられたのは
昭和レトロポップな雰囲気の
黄緑色にオレンジ色の花が描かれているようなトースターだ。
「トースターですか?」
「!!」
「あなた!なんで知ってるの!」
おっと、まさかの地雷を踏んでしまったか…。
なんとか誤魔化さないと。
「文献で見たものと似てる気がして。」
苦しい苦しすぎる。
「そんなわけないでしょう!ここにあるただ一冊にしか書かれていない代物よ!」
うわーこれ詰んだ。
「勘違いだったかなー」
話を変えよう。話を変えよう。
「おーい!フェント!これなんだ?」
とヤンマさんが尋ねてきた。
フェントさんはキッと睨んだ後振り返りそれどころじゃないって雰囲気丸出しでヤンマさんに答えた。
「ドライヤーよ!風を起こす魔道具よ。」
スイッチに触れてしまったのかドライヤーが起動し、慌てふためいている。
「ちょっと来てくれ!どうやって止めるんだ!フェントぉ早く」
フェントさんは後ろ髪引かれながらも、ヤンマさんの方に行ってくれた。
グッジョブ。ゴリラ。
結構、型としては古いがあっちの世界の量販店で並んでそうなものばかりだ。どうやってこの構想に行き着いたんだろ。
「もう!あの脳筋は、うちの子たちを壊す気!」
帰ってきた。やばい!
話を逸そう。
「あのぉ。」
「何!そう!あんたよあん…」
面倒くさいことにならないように遮って話した。
「あの。魔獣が嫌がる音の発生器って作れたりします?」
「…何よ!突然!もう試作機あるわよ!」
えーあるんですか!!
「農業ギルドでの会話はここにいつでも聞こえてるから、私なりの考えで作ってたところ、あんたら手詰まりそうだから見せてやろうと思ったのよ!」
全ての嬉しさを上回る
盗聴されて盗撮されてた恐怖が全身を走った。
「普段から全て、観てるんですか?」
「私もそんなに暇じゃないわ!」
あーよかった。まだそれだけでも良かった。
何か独り言で変なこと喋ってたら大変だ。
特にあっちの世界の記憶は知られず生きていきたい。
「まっ!録画して、寝る前にお酒飲みながら観てるけど!」
「ぎゃー!」
驚きのあまり胸と股を抑えた。
「あんた、それよくするわね。」
「初対面ですけど…。」
「私は初対面じゃないわ。」
「ですよねー。」
とりあえず。試作機の実験をしたい。
「フェントさん。それの実験しましょ!」
「どんな実験?」
「そりゃもちろん実地試験ですよ!」
「おい。坊ちゃん良からぬこと考えてないか?」
「いいえ。これは農業発展の為、護身用に剣を持ちラスティアに対峙する大事な実験です。」
「おいおい?まじかよ。」
どうやって実験をしようか。
まずは一頭捕獲して周波数を探り、
後は俺の体に仕込んで、群れに突撃だな!
うん。素晴らしい!
「まずは周波数合わせないとですね。」
「魔獣によって耳障りに感じる周波帯があるのでそれを合わせる必要があります。」
「じゃあ、ラスティアが必要ってことかしら?」
「そうですね!一頭捕獲してみますか!」
「その必要は無いわ。とっくに調整しているわ。」
「効くかは知らないけどね。ふふふ。」
と不敵に笑った。
「そうですか。じゃあ行きましょうか!」
そもそも俺はラスティアと戦ってみたかったし、効かなくてもいいんだよ。
「えっえっ!どこへよ!待ちなさい!」
構わず向かった。
〜城壁外、丘の上〜
「ハァハァ...。じょこまじぇいぐのよ…」
フェントさんはバテバテだ。
我々は、ヤンマ流身体強化術があるから平気さ!
ヤンマ流身体強化は、基礎があってのなんぼだから
フェントさんにはキツイのだろうな。
「お疲れ様です。着きました。」
「ヤンマさん。ここでラスティアの様子を監視してもらってもいいですか?」
「おう。坊ちゃんは?」
「私はフェントさんとラスティアの群れに近付きますので、ヤンマさんは上から記録。私は現場担当。フェントさんは現場で微調整お願いします!」
「おう!わかった。凶暴だから無理するなよ!あと、目に回す魔力を少し俺の意識と繋ぐ感覚で行ってくれ!」
「新たな身体強化ですか!!」
ヤンマさんといると良いことは一点だけある。
この人はバトルセンスが半端ない。
そして教え方も上手だ。この人と居れば一流の剣士になれると思っている。まぁ剣は使う機会がないが。
「これは、遠くに居ても意思疎通が取れる技術だ。ここから状況を伝えるからそのつもりでいてくれ。」
なるほど。テレパス的なやつか!魔法便利。
「ちょっと待ちなさいよ!私はもう歩けないわ!」
「大丈夫ですよ!私が運びますので!」
とヒョイっとフェントさんを持ち上げた。
「ちょ、ちょちょちよ まちなさいよ!」
と動揺するフェントさんを横目に
「では…行ってきますね!」
と目の前の丘を飛び降りた。
「きゃああああ」
フェントさんは恐怖に気を失った。
ちょっとやり過ぎたかな。まぁあとで起こそう。
ピコーン
ヤンマ 14:27
【聞こえるか?(*≧艸≦)】
(えー!意思疎通ってこう言うこと!メッセージアプリみたいじゃん!)
14:28 既読 ミノル
【聞こえます。】
ヤンマ 14:29
【何だ!元気ないな!どうした⭐︎】
14:30 既読 ミノル
【少し困惑しています。】
ヤンマ 14:31
【便利だろ!w】
(ヤンマから草生えたよ!えっ!どんなシステムよ)
14:32 既読 ミノル
【作戦通りよろしくお願いします。】
ヤンマ 14:35
【おう!】
【今、ラスティアのはしよ】
【2時に3スクアドル】
(念話で誤字ってどゆことよ。)
14:35 ミノル
【りょ!】
こうして、
俺はメッセージアプリを手に入れた。




