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月刊 異世界農業  作者: オマリー
月刊 異世界農業 第3号 =異世界での防獣対策特集= 
28/52

=異世界での防獣対策特集=  異世界農業の魔獣の傾向と対策⑥

月刊 異世界農業 第3号


=異世界での防獣対策特集=  異世界農業の魔獣の傾向と対策⑥


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ヤンマさんに言われるがまま、城門を出て、少し行った丘の上に連れてこられた。


「坊ちゃん。着いたぞ!今日はいるかなぁ〜っと!」

と言って周りを眺め始めた。

しばらくすると、

「おっ!いたいた!坊ちゃん、あそこあそこ!」

と指差す方を見るが遥か遠くを指している。

「おい、見えたか!」

「いえ、あんな遠く見えませんよー。」

「何言ってるんだ。目に魔力を集中させてみろ!」

全身の魔力を目に集中してみると

「おぉ!結晶が見えます!」

「はっはっは!坊ちゃん。それは魔力込めすぎた。土の粒子まで見えちゃってんだよ!」

やっぱりゴリラに言われると癪だな。


改めて魔力の出力を落としていくと粒の集まりがだんだん森の風景に変わっていく。


「このくらいかなぁ…紫、紫。」

探していると

紫の集合体が見えたのでそこに魔力を調整してみた。

「あっ!アレですか!ラスティアって!」

あっちの世界で言う猿の様な生き物がいた。

「そうだ。アイツらは中々知恵があって簡単な罠には引っかからない。そして、ちょこちょこ王都周辺まで来ては農作物を食い荒らすんだ。」

「なかなか凶暴で、一般市民が出くわすと被害が及ぶ可能性が非常に高いんだ。」

「なるほど。あのタイプの魔獣は、フェンスの様なタイプは効果が少ないかも知れないですね。」

「お!よく知ってるな!」

どうやらあっちの猿と同じ対応で良いようだ。

「ラスティアは罠も設置系はあまり効果はないんだ。」

「なるほど。では、入れないようにするか迎撃するしか追い払う方法はないんですね。」

「まぁそうだな。それゆえにあれくらいの量であれば俺たちでもなんとかできなくないが、スタンピードとまでくるとあいつらを騎士団全員で当たっても被害はかなり大きいってわけだ。」

「障壁はどれくらい抑えれるのですか?」

「スタンピードともなるともって30分くらいじゃないか。」

「うひゃ。何か策を練る必要がありますね。」

「障壁はセリス姉ちゃんの管轄だが内側は俺たちみたいなギルドの管轄だから結構大変だろ!」

「そうですね。戦ってきていいならいくらでも戦ってきますけどね!」

「ここは農業ギルドだ。剣のことは忘れるんだな。」

「はい…」

農民レベルカンストでしか発生しないイベントで剣聖への転職チャンスとかあればもっと頑張れるのにな!


〜農業ギルド 事務所〜

「まっあんなやつだ。」

「いい作戦思い付いたか?」

なんか他人任せじゃない?

「全然、全く、これっぽっちもです。」


猿は賢い。

学習するところがさらにタチが悪い。


あっちの世界では

駄菓子屋で売ってた音のなる銃のおもちゃとか

スリングショットで石とかを当てるとか

ロケット花火とかで撃退しているのはテレビでみたことがある。


しかし、こっちの猿は魔瘴気を浴びた魔獣で

魔獣によっては鉄製の剣では刃が通らないこともしばしばである。


「お二人どうかされましたか?暗い顔をして。」

と見慣れない人に声をかけられた。


「ああ。ちょっとなぁ。フェントがギルドにくるとか珍しいなぁ。」

「はじめまして、フェントさん。ミノル=ホランドです。よろしくお願いします。」

「よろしく!まぁそこの魔水晶で普段から見てるから知ってたけどね!」

こわい!どこ!

っとキョロキョロしてると事務所の角にいかにもっていう水晶体が置いてあった。

「ヤンマがあまりにもバカみたいな顔してたからアドバイスに来てやったのよ。」

「フェントさんは普段何をされているのですか?」

「ふっふっふ。興味ある?ついておいで!」

またこのパターンか。

基本的にみんな変人気質だからおっかなくてしょうがない。

「はい。ぜひ。」


ということでフェントさんについていくことにした。

何をしている変人なんだろう。



もしも、あなたの世界で野生の猿に出会ったら

絶対に餌付けをしないでくださいね。

猿は大変賢く、人間がご飯をくれると覚えると、食べ物を持ってると襲い掛かってきたり、人間を恐れなくなり民家や田畑を荒らしたりするようになります。

出会っても近づかないを必ず守ってくださいね。

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