=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策⑤
月刊 異世界農業 第3号
=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策⑤
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〜農業ギルド 地下倉庫〜
「バルトラさん!こんにちは!」
「おう!坊ちゃん!今日はどうした。」
「実は折り入って相談がございまして。」
というと、途端に顔がこわばるバルトラさん。
「なんか、嫌な予感がするんだが。。。」
「いやぁそんな大したことじゃないんです。」
「坊ちゃんに大したことなくても、俺にとっちゃ大したことがあるんだよ。」
「まぁまぁ。お話だけでも・・・」
「聞くだけだ!やるかやらないかはそれからだぞ!」
「はい!それで結構です。」
ということで
この世界にはない【電気】というものを発生させる構想を
30分ほどプレゼンテーションした。
主には
既存の魔力炉又は新規の魔力炉で動力を生み
その魔力による力で火力又は水力で羽根車を回し
その回転で電気を作るっていうあれだ。
材料としてわかるものは
モーターのようなものを作る時に必要な
・コイルとなる導線。
・磁石となる鉱石
だろう。
雷が落ちてる限り磁石はあるだろう。
あっちの世界だって2000年以上前には見つかってたんだよ。
土魔法の偶然とかできっとあるでしょうっていうのが俺の考え。
結局はこの世界にあるか謎なのがモーター部分だけだろう。
「ふむ。原理はわかった。マグネタイト鉱石というものでなんとかなるだろう。」
「導線はブロンズ硬貨にも使われるブロンズ鉱石を使えばいけるだろう。」
「まぁ出来なくはないだろうが、なぜわざわざそんなまどろっこしい装置で雷を作る必要があるんだ?」
「今後、魔力式のためでもあるんですよ!」
と言っておけばきっと乗り気になってくれるはずだとふっかけてみた。
嘘ではないからだ。魔力燃費をはるかに良くできるのはあっちの世界で立証済みだ。
「魔力式荷車にか?具体的にどういう風にだ?」
「この装置を魔力式荷車に組み込む事で、魔力式の動力を雷に変換してそちらを予備燃料として貯め込み利用するシステムです。」
と、詳しくはハイブリッド自動車のシステムを知らないのでそれっぽく言ってみた。
「ほう!その雷はそんなことにも使えるのか!」
「おそらく小型化にも役に立つのではと考えます!」
「分かった!試作してみてやろう!」
「それで…おいくらで…?」
「しらん!とりあえずギルド予算で作れば良いだろ!」
「そんなもんですか?」
「農業ギルドで使う用になるなら新技術予算も下りるだろ。」
「…とりあえずよろしくお願いします。」
ギルド長に相談した方がいいのかな?
裏技の王様直訴でも良いかもなぁ。
困ったらサイカさんにお願いしてみよう。
電気に必要なものはあるようだから、普通の鉄線でも電気は通るし、電気さえ生み出せたら勝ちだな!
残念なことにあっちの世界ではトラクター動かせるほどのハイブリッドは誕生していないということだけは、内緒だな。
とりあえずこの件は、一旦お預けだ!
〜農業ギルド 事務所〜
「おう!坊ちゃん!ラスティア対策を手伝ってくれないか?」
ヤンマさんに捕まった。
「はい。大丈夫ですよ。」
「坊ちゃんに、ラスティアのことしっかり教えておこうと思ってな。」
「はい。助かります。」
「俺たちならいざ、数頭程度なら何とかなるだろうが、領民に被害を与えかねない魔獣なんだ。」
珍しくゴリラは真剣だ。
「どんな見た目ですか?」
「毛むくじゃらで紫で牙があって四足歩行をするが前足を器用に使って物を掴んだり投げたりしてくる。そして少なくとも10頭くらいで行動しているな!」
うん!わからん!
きっと全世界の動物が当てはまるな!
「坊ちゃん、何も知らないんだな!わかった。ついてこい!」
なんかゴリラに言われると癪だな。
まぁ百聞はなんちゃらだな。




