=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策③
月刊 異世界農業 第3号
=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策③
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〜工房の帰り〜
「ところでどの省庁が管轄なんですか?」
「ん?俺の父ちゃんに言えばいいんじゃないか?」
「お父様が省庁に勤めておられるのですか?」
「ああ。防衛省に勤めてたと思うぜ!確か魔獣対策課はそこにあったしな!」
「そうなんですか。」
という事なので防衛省に行く事になった。
〜アグリカ王国 防衛省〜
「坊ちゃん。確かこの辺にあったはずなんだが。」
とか言って一時間くらい迷い倒して、やっと着いた。
「こんにちは。本日のご用件は?」
と受付の女性。
「こんにちは。農業ギルドのミノル=ホランドと申しますが、魔獣対策課にご相談があり参りましたが、担当の方に取り次いでもらえますか?」
「魔獣対策課ですね…少々お待ちください。」
と奥に入っていった。
待つ事10分。
「お待たせしました。2階の魔獣対策課事務所へどうぞ。」
「ありがとうございます。」
「ではいきましょうか…」
あれっさっきまで後ろにいたヤンマさんが居ない。
どこに行ったんだろ。
とりあえず、まぁ1人でも出来るし行っとくか。
と2階へ。
階段を上がると二手に分かれている。
←【兵器開発課】 【魔獣対策課・魔獣災害課】→
右かな。と歩いていくと
【魔獣対策課】
と書いた扉があった。
コンコンとノックする。
中から声がする。
「おう!開いてるぞ!」
なんか聞いたことある声。
扉を開けると我が物顔に座るヤンマさん。
「ヤンマさん、何してるんですか!」
「受付でモタモタしてるから先に来てたぞ!」
「普通は、受付を通してから入るんですよ!」
「そうなんか!知らなかったわ!アッハッハ!」
さすが大雑把ゴリラだ。
「大体のことはもう話しておいたぞ!」
ゴリラの影に人がいた。
「あっこんにちは。農業ギルドのミノル=ホランドです。」
「こんにちは。私は、魔獣対策課の主任をしているセリス=ゼネラルです。」
「よろしくお願いします。セリスさん」
「よろしくお願いします。それでざっくりとはお話しを聞きましたが具体的にどのような事でしょう?」
全く話が通じてない雰囲気!さすがゴリラ。
「はい。農業ギルドで扱っている対物理フェンスを見てて思ったのですが、網に使うワイヤーに魔石を練り込めば忌避効果が出るんじゃないかと思いまして、ご意見頂こうと本日参りました。」
「なるほど。魔石の瘴気を消し去る効果が忌避効果があるんじゃないかって事ですね…うーん。」
と何か資料をパラパラめくり考えている。
「ちなみにどの属性を練り込みたいのですか?」
「雷を起こす事って出来ないですか?」
「練り込む程度では難しいですね。」
「触ってびっくりするくらいでいいんですが。」
「本当にそれで効果があるかは不明ですがその程度であれば可能です。」
「障壁が必要な魔獣には効果が少ないかとは思いますが、対物理フェンスに効果がある魔獣であれば効果があると考えています。」
「ふむ…。」
と、ヤンマが口を開く。
「セリス姉ちゃん。坊ちゃんもこう言ってんだし、ワンセットだけでも作らせてやってくれよ!」
「ヤンマ、外ではちゃんと呼びなさい。」
「ん?ご姉弟なんですか?」
「ヤンマは、何も言ってないんですか。」
「ヤンマはゼネラル家の次男で、この防衛省長官ガーフ=ゼネラルは父となります。」
ゼネラル家は
アグリカ王国 侯爵家であり騎士団のトップである。
「えー!ヤンマさんも貴族だったんですか!」
「まぁな!気にしなくていいぞ!俺が侯爵ってわけでもねぇし!」
そう言われると俺も子爵というわけではないから同じだな!
「それはいいとして、条件として全てを記録して報告するのであれば100アドル分防衛省が負担しましょう。」
とセリスさんが口を挟む。
「セリス姉ちゃん。1スクアドル分くらい出してやんなよ。」
とヤンマさんが続く。
「ヤンマ…その裁量は保留という事でどのくらいかかるかを提出して下さい。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「では、工房に一度相談してまた来ます!」
「はい。また後日。」
この日はこれで防衛省を後にした。
今日は、ヤンマさんが貴族だったことが1番の衝撃だった。
予算もおりそうだし、工房に行かなきゃな!
1アドル=1メートル
1スクアドル=1キロメートル




