=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策①
月刊異世界農業 第3号はじまります。
月刊 異世界農業 第3号
=異世界での防獣対策特集= 異世界農業の魔獣の傾向と対策①
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農業ギルドに来て1ヶ月。
そろそろ自分の専門分野的なのを見つけたいなと思ってきていた今日この頃。
「おはようございます!」
「おはようございます。ミノル様。」
「...おはようございます。」
「おっす!坊ちゃん!」
「おはよう!ミノル様。」
順番に
ギルド長、メジーナさん、クラースさん、大雑把ゴリラ、サイカさんだ。
珍しく結構メンバーが揃っている。
朝は自宅から直外回りに行くものも多く集まりが悪い印象だったが。。。
「どうしたんですか。みなさん揃って。」
「月に一度の各担当の成果や報告をしてもらってるところです。」
とギルド長。
「そうなんですか。お邪魔しましたね。」
「いえいえ。じゃあ続いてヤンマさんの方は?」
「おう。そろそろラスティアが出る時期だ。こちらの方でも準備をしておかないといけないな!」
「なるほど。対魔獣障壁は正常でしたか。」
「そうだなぁ。最近ちょこちょこ破られたりしていて少し不安があるな。」
「破られていますか。確か帝国の方で大型魔獣が出たとの報告があるのでスタンピードなども気にかけておかないといけないですね。」
「ス、スタンピードだと。こえーな。まぁちょっと魔法省にも報告あげて強化してもらわないとな。」
「そうとは限りませんので、あまり大袈裟に報告しないようにしてくださいね。」
「おう。」
ラスティアって権能さんが以前調べた限りでは群れで行動して俊敏な魔獣だよね。
スタンピードとなるとすごい数のラスティアが押し寄せてくるってことかな。。。
物騒だな。
特にラスティアを生でみたことないからより怖いな。
「では、ミノル様。」
とギルド長。
「はい。」
「しばらく、ヤンマさんと対魔獣担当お願いします。」
ゲッ。大雑把ゴリラがバディか。
「...はい。了解しました。」
「やったな!坊ちゃん!俺と仕事できるぜ!」
あなたは今日からポジティブゴリラだ。
「それでは、終わります。今月もよろしくおねがします。」
と会議は終わった。
「よし、坊ちゃん。今日は対魔獣装備の確認から始めるぞ!」
対魔獣装備!!ついに剣の家門の俺が活躍できそうなワードが出てきた!
「外の倉庫に先に行っててくれ。」
「はい!」
俺はご機嫌に外の倉庫へ向かった。
「おう。待たせたな。鍵、鍵っと」
鍵の開く音と共に倉庫の扉が開いた。
「わぁ〜...ん?」
なんか期待していた倉庫じゃない。
「さぁて。まずはど・れ・か・らしようかな!」
ポジティブゴリラはご機嫌だ。
「これが、対魔獣装備ですか?」
「ん?そうだが。」
と不思議そうな顔でこっちをみている。
「いやぁ、剣とか槍とか大砲とか想像してたので。」
「そんなわけないだろ。うちは何ギルドだ!」
「そうだ!農業ギルドだ!」
何も言ってない。
「タイマンと言えば、網と罠だ!基本だろ!」
奇跡のあっちワード【タイマン】
だが、あっちのタイマンは拳で殴り合う超近距離戦闘なんだけど、こっちの【タイマン】は直接向き合いもしない!
「はぁ…。」
「がっかりすんなって!坊ちゃん!」
「剣も振れるぞ!」
「近接戦闘ですか!!」
「何言ってんだ。捉えた魔獣は証拠として耳か尻尾を切り落とすんだよ。」
「なんだ…。」
ワクワクして損した。このポジティブゴリラに乗せられた自分が恥ずかしい。
「今日は、ラスティア対策用のこの対物理フェンスの修理をするぞ!」
「はーい。」
「この対物理フェンスは頑丈な金属をワイヤーにして、編まれていて、外壁にある障壁に比べ耐久性はもちろん劣るが、小型魔獣には効果があるんだぜ。障壁は大型は防げるが小型はすり抜ける事があるからな。」
「なるほど。」
「電気柵とかは使わないんですか?」
「電気ってなんだ!」
おっと、こっちにない言葉だったか。
「うちの領内の方言が出てしまいました。雷魔法を用いた柵ですかね。」
「雷魔法を用いた柵があるのか!見たい!明日連れてけ!」
しまった興味を引いてしまった。
「実物は無いですが、その対物理ワイヤーに魔石練り込めば出来ません?。」
「エンジンのピストンにも魔石が練り込まれているみたいなので理論上可能かと思うんですが。」
「実物は無いまでしか頭に入らねーや。」
そこまでかー!
もうちょっと理解してもらえると思ったけどなー!
「このワイヤー作ってる工房は知ってるぜ!行ってみるか?」
「はい。良ければよろしくお願いします。」
「まぁそれは、これが終わってからな。」
どーんと!山のような網が目の前に運ばれるのであった。
その日の終業時間までかかったのは言うまでもない。




