=異世界での元気な土づくり特集= 異世界の土づくり事情⑦
月刊 異世界農業 第2号
=異世界での元気な土づくり特集= 異世界の土づくり事情⑦
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〜共同ギルド食堂〜
今日は何食べようかなぁ。
あっちの世界のフードコートのような作りになっている。
王都にはいろんな種族が集まっており
食べるものが様々ってのが理由だそうだ。
昨日は、なんかよく分からない魚の丸焼き食べたけどおいしかったなぁ美味しかったなぁ。
今日は、肉にしよ!肉!決まり決まり!
よし!店選び。
まずはここ。
【トンガス】って書いてある。
トンガスって何!?
頼んでいる様子を見てみよう。
「おっちゃん!トンガス2つ!」
「揚げるかい?焼くかい?」
「今日はそうだなぁ。揚げ2で頼む!」
「あいよ!」
キーワードが出たぞ!
【トンガス】というものを
【揚げる】か【焼く】という調理法で食べるんだな。
なるほどなるほど。
次の店は
【ヒリープ】って書いてある。
ヒリープって何!?
よし、様子を見てみよう。
「お姉さん!ヒリープちょうだい!」
「はーい!辛さはどうしますか?」
「中辛でお汁少なめで!」
「はーい!かしこまりました。」
キーワードは
【ヒリープ】というものは
【辛さ】に段階があり【お汁】が普段は多めに入っている。
なるほどなるほど。
そしてもう一つはここ。
【ンバラバ】って書いてある。
ンから始まるものになぜか恐怖を感じるが
様子を見て見なくては。
「おばちゃん!ンバラバ10個入り一つ!」
「はいよ!」
キーワードは
【ンバラバ】はいくつかで1つのもの
ヒント少ない!
どれにしようかな?
悩むなぁ。と考え込んでいたところ
「そこの少年!」
後ろから背の高いひょろっとした長髪の青年が声を掛けてきた。
「キャッ!」
反射的に股と胸元を抑えて驚いた。
「可憐な少女のような驚き方だな!」
「すっ、すいません。」
「何かお困りのようだな!」
「何を食べようかなっと。いまいちどんな料理か分からなくて。」
「なるほど!それであの間抜けな顔でウロウロしてたんだね。」
俺の社会科見学は
そんな間抜けに見えてたんだ。
「げっ。いつから見られてたんですか。」
「そうだなぁ。食堂に入って間抜けに口を開けてたあたりからかな。」
えっそんなに普段から間抜けに見えてるの!
「お恥ずかしい限りで。」
「ははは。良かったら教えてあげるよ。」
「助かります。」
青年の話によると
【トンガス】はカストブルの肉の呼称らしく
衣を付けて揚げるか
シンプルな味付けで焼く料理だそうだ。
あっちの世界の何の肉かは分からないがカツとステーキだろう。
【ヒリープ】は、ガルリープという肉を煮込んだスープ出そうだ。
あっちの世界でいうシチューかポトフだろう。
【ンバラバ】は、球形の鉄板を用いてポロテのデンプンをといて作った液と野菜や肉を混ぜて焼いたものらしい。
あっちの世界でいうたこ焼きみたいなところだろう。
「良かったらお手伝いしますので全て頼んでみては?」
「それいいですね!」
食事をシェアするなんて学園ドラマみたい!
そして料理を注文して席に着いた。
「あーもおしおぐれました。ばたぐし、どちかいばつびるどのすばぁくとじいます。」
もう食べてるし、口に入ってる状態で喋るのはお下品ですよ。
「スバークさんでよろしかったですか?」
「す ばぁー く でふ」
いいから飲み込めよ。
「す ばぁー くさん。よろしくお願いします。私は、農業ギルドのミノル=ホランドです。」
「びのるさんよどしぐおぬがいじます。」
食べてる姿はあんたの方が間抜けだよ!
結局、ほとんど、この す ばぁー くさんが食べてしまったのは言うまでもない。
「ふぅ。お腹いっぱいです。」
「それは良かったです…。」
「ところで農業ギルドという事はあの噂の特級印様ですか?」
「そんな大したものではないですが、そうですね。」
「ん?大したことがないってことは本当は、一級印ですか?」
いやいや、そういうことじゃないって…。
「特級印は特級印です。謙遜してって言うかアヤって言うか。」
なんかスベった、ギャグを説明しないといけない地獄のアレだ。
「やはり!開拓の件でお聞きしたい事があったので、また今度ギルドに行きますね!それではまたー!」
なんだあの人は
食べたら行っちゃったよ。
間抜けなヒョロさんと覚えておこう。
さて、午後の仕事頑張るかな!




