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月刊 異世界農業  作者: オマリー
月刊 異世界農業 第2号 =異世界での元気な土づくり特集=
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=異世界での元気な土づくり特集= 異世界の土づくり事情③

月刊 異世界農業 第2号=異世界での元気な土づくり特集= 


異世界の土づくり事情③

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農業の朝は早い。

夜明けとともに出勤だ。

目覚まし時計というものがないこの世界で

朝が起きれるか不安すぎて眠れなかった。

慣れなければ・・・。


「おはようございます。」

「おう!おはよう!坊ちゃん!」

大雑把ゴリラのヤンマさんだ。

「ちょうどいい!俺の手伝いを今日はやってくれ!」

「はい!わかりました。」

「着替えたらいくぞ!」

農業ギルドに入ったとき確か作業服みたいなのをもらった。

あれに着替えればいいのかな。

「よし、できたな!行くぞ!」

あれ、今日は荷車なし?

「魔力式荷車には乗らないんですか?」

「俺は無理だ!運転できるほどの魔力を持ち合わせてねぇ!あと外回り用のやつは試作品で貯めてもらっておくことができないからな!」

「まぁどっちにしても走ったほうが早い!」

「どれくらいまで...?」

「ここから50スクアドルくらいだ。」

スクアドルとは

1アドルは1メートルに近い

スクというのは3桁ずつにつく単位でキロみたいなものである。

1スクアドルは1000mつまり50スクアドルは50kmくらいである。

「ま、まじですか。」

今度、魔力式荷車の運転を教えてもらおう。

「じゃあ、いくぞ!」

「はいぃぃ。」


「ハァハァ、ヤンマさんはどの担当ですか?」

「おう!俺か!俺は魔獣や魔鳥から作物を守る設備の管理だ。」

あっちの世界での防獣対策の担当ってことかな。

「ハァハァ、どんな...ハァ、魔獣が...ハァハァ、出るんですか?」

「グラシャスとかラスティアとかガルズとかだなぁ。」

まったくわからない。

辞書を使うか。

辞書とは最近発見した特級印の権能である。


(検索 グラシャス)

(四足 毒 赤)

ちょっと何言ってるかわかんないです。

(検索 ラスティア)

(俊敏 群れ 夜)

ちょっと何言ってるかわかんないです。

(検索 ガルズ)

(空 小型 嘴)

ちょっと何言ってるかわかんないです。


特級印の役に立たたず!


「ハァハァ...ヤンマさん...よく平気で話しながら走れますね。」

「おう!坊ちゃん魔力って使って生活してるか?」

「ハァ...いえ、もともと剣の家門だったのでハァハァ...魔力を持ってることも知りませんでした。」

「いや、それならなおさら使ってたはずだ。」

「はぁはぁ...そうなんですか。」

「今、剣を握ってるイメージをしてみな!」

「ハァハァ...はい。」

剣を構えるイメージだな。

剣を構える...

剣を構える...

「そうだ!そうだ!」

「全体に覆うように魔力を回せ!」

全体に回す...

全体に回す...

「あれ!少し楽になったし速く走れてる気がする。」

「そうだ。そんな感じだ!俺くらいの魔力でもペース配分さえ気にしてりゃぶっ倒れはしねぇからそれを続けてみろ!荷車なんかよりよっぽど速いぞ!」

「はい!」

魔力を意識して回してみたところ、息が切れていたのも落ち着いてきた。

この大雑把ゴリラ教えるのが上手なのかもしれない。


「よし!坊ちゃん!着いたぞ!」

「今日の現場ここだ!」

「うわぁ!なんじゃこれ!」

農地の周りを囲う、高さ5mくらいある電撃を帯びたフェンスのような網が大きく穴をあけている。

「グラシャスにやられたんだ。」

「グラシャスってどんな魔獣なんですか?」

「どんなって言われても足が四本ついてて赤いやつだ!」

えっ勘違いだったかもしれない。

この人説明下手かもしれない。

「はぁ。」

「あいつらはなかなか賢くて一度成功したと思うと味をしめるんだ!」

「なるほど。」

鹿みたいな生物なんだと思っておこう。

「ちょっとしっかり目に補修しておかないといけないんだ。」

「道具もないのにどうやって直すんですか?」

「何言ってるんだ。ちょっとそれを触ってみろ!」

「痛っ...くない。」

「これは魔法でできた網だ。過度な衝撃を受けると破れてしまうんだ。」

「つまりそれくらいのグラシャスが出てしまったってことだ。」

「まぁそっちのほうは騎士団に任せればいいんだが、こういうのを見つけたら」

「障壁を管理しているなんとかっていう部署に報告するように。」

出た。大雑把ゴリラの雑な情報。

「はい。」

この人はきっと戦闘のほうが向いてると思う。。。

魔力の扱い方も上手だし。

「じゃあ、帰るぞ!」

「はい。」


とまた、ギルドに向かって走り始めた。

「ところでヤンマさんはなぜ農業ギルドに?戦闘のほうが向いてそうですが。」

「あーその話をしようとおもうと50スクアドルでは足りねぇんだよな!」

「うん!じゃあ結構です!」

「はっはっは!来たときは大違いの余裕だな!」


行き道は後半魔力の使ったとはいえ3時間くらいかかったが

帰り道は1時間半くらいと早く帰ることができた。

大雑把ゴリラことヤンマさんは本気をだせば30分というんだからすごいよね。


今日の総括!

大雑把ゴリラは戦闘技術を教えるに関しては一流の腕前を持っているが

農業に関してはその名にふさわしい大雑把さで学ぶことはほとんどなかった。




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