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月刊 異世界農業  作者: オマリー
月刊 異世界農業 第2号 =異世界での元気な土づくり特集=
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=異世界での元気な土づくり特集= 異世界の土づくり事情②

月刊 異世界農業 第2号=異世界での元気な土づくり特集= 

異世界の土づくり事情②

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「...毎日、日が昇るころに圃場の見回りに回るところからギルドの仕事は始まります。」

あっ・・・そうなんだ。農業ギルドの朝は日が昇るころを指すんだ。

俺は今日は大遅刻をしたわけだ。気を付けなくては。

「...ミノル様が遅刻したことは気にしてません。」

うっめっちゃ気にしてる人の言い方。

「気を付けます...」


「...この西地区は今の時期はビンズを栽培しています。」

ビンズとは大豆的なものだ。

ビーンズと似ているからこれは覚えれた。

「...時期により栽培するものを変えて生産性の安定させています。」

「なるほど。連作で起こる病気みたいなものを防ぐんですね。」

「...病気という概念かはわかりませんが、いろんな作物を回すことで安定しています。」

「土作りとかはどうしているのですか?」

「...土作り?土は自然にあるものなので、作ったりはしませんが牧草を育ててマストンやカーウを放牧しますのでその糞などが土に良いと言われています。」

なるほど。原理はわかっていないけど動物の糞と藁で自然に発酵させて有機肥料にしているわけか。

「なるほど。」

「...西地区は比較的安定して栽培ができており供給がうまくできています。」

「...しかし、北地区は近年、栽培がうまくいっておらず苦戦しております。」

「そうなんですか。」

「...では北地区にいきましょう。」


西地区から結構な時間を走った。

あまり話が弾まなくなかなか苦痛の時間だった。

「...着きました。」

西地区とは違い、肌寒い。

「さむっ。気候が違うんですね。」

「...はい。北地区は北海に面していますので。」

王都の周りといってもこんなに気候が違うんだな。

「...主にここはポロテを作るのですが、良い感じで成長してるかと思えば収穫してみたら具合の悪いポロテがでます。」

ポロテとは、あっちの世界でいうジャガイモとサツマイモの間みたいなやつ。

食べたことがないけどタロイモ的なやつって思っている。

「畑に入ってもいいですか?」

「...はい。圃場に入って見てください。」

はいはい。圃場ね。どっちでもいいと思うんだけど。。。

「近年、この地区は雨が多かったりしますか?」

「...そうですね。近年雨や湿度が高いような気がします。」

「ふむ。一周ぐるりと見て回っていいですか。」

北地区は比較的一つの畑が大きく区画わけされている。

端から端まで歩くのもなかなか距離がある。


実は、なぜこういったことを調べているかというと

農業の情報を頭に浮かべると

キーワードのようなものが出てくるのだ。

おそらく、特級印の資質の仕業だと思うのだが、

いつか陛下と話したときに特級印の特徴を教えていただいた。

特級印は代を重ねるごとに知恵や知識が引き継がれ

その知識や知恵にあることはイメージすると思い浮かぶとのこと。

今まで、そのようなことがなかったのは一切農業のことなんて考えなかったからだろう。

ポロテがどんなものかとかビンズがどんなものか聞いただけで分かったのはきっとこれの一部だったんだろう。


(検索 ジャガイモ 多湿 育たない...っと)

(排水 青枯)

青枯ってなんのことかわからないけど。

排水が悪いってことかな。

「土の水はけが悪いとかありませんか?」

「...水はけ。排水。なるほど。」

「...ポロテは過多湿に弱い傾向があります。この北地区は他の地区に比べ夏場は湿度も少なく雨も少ない地区です。」

「...すこし資料を見直してみたいので外回りはこのあたりでいいですか?」

「は、はい。」

なんか急にやる気になったなぁ。

寒かったし、ちょうどいい。

帰りは心なしか早く着いたような気がした。

やっぱり魔力式なので操縦者の魔力依存でスピードが変わるのかな?


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