ただ今現在
紙に書いた私の手紙。
ここに言葉が書かれたとして どうして私は意味を見出すのか。
はるか空 青と青の間で見下ろしていた
まゆみ
それは誰の名だったか。
好きでもなく 嫌いでもない ただの通りすがり
(彼女は)名前だけを置いていった。
・・・
エチレンガスを放出しながら駆けてゆく美男子。
あまりの勢いの良さに 彼は ふんどし王子と呼ばれた。
たなびくロン毛 ほとばしる放屁
加速し 富士の山頂へ。
そこは寒い
ふんどしなど 無いに等しき ころもかな。
こおりついたふんどしを ぺりぺりと はがす。
やあ、こんにちは。そういって、少しあたたかい太陽は、
凍える山頂を少しばかりあたためる。卵がゆで卵にならない程度に。
温泉卵! そうでした、それくらいでした。
食べたら くだれ 富士の山。
大砂走でころんで 砂に埋もれ 太陽はのぼり
数百年後に
ふんどしが発掘されたという。
・・・
プリンティング・ナウ
彼はそう言って寝台に寝転がった。
列車の車輪がレールの継ぎ目を踏む音が
規則正しくきこえてくる。
プリンティング・ナウ プリンティング・ナウ
白い天井。
通路に人影はなく
窓の外の暗闇に 列車が照らす 二本のレール。
やがて夜が明けると 僕たちは出ていくことになる。
プリンティング・ナウ。