世界よ滅び
つねに頭の中で音楽が鳴っているような ゆかいな脳を持つべきでした。
そうでもしなければこの世界は 生きていけない ものなのです。
滅びよ世界と彼は言った。
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犬が昼飯を待っている。行儀のいいことです。
幸せとかどうでもよくただ待っている。赤い紐につながれて。
通りすがる猫は幸せで
幸せな者と幸せなどどうでもいい者との会話は
盛り上がらず 続かない。
しかたない、
水道の蛇口よ 回って水を出せ。
ジャア。
そうか。
流れは清らかで しかしドブに落ち 流れるうちに汚れ
猫よ、それを飲むのか、まあそれもよいと犬は思う。
幸せなどどうでもよいから
昼飯が来ないかなあと思うのである。
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トリミングしよう。チョキチョキ。かわいいねこちゃんだから。
ほうら見て いかがでしょう。
おいしいおさかな たべるよ 赤身のおにくだ。
この港には 岩場があり つばめが巣を作っている。
ねこちゃんは魚を食べ 大きくなる。
とても大きくなる。
もうすぐつばめの巣と同じくらいの高さだ。
それでもねこちゃんは魚を食べる。
毎日 同じように。
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ヒラメを食べましたと報告を受けました。
先生はそのことをとてもうれしく思います。
海は野山のむこうにある。
楽しい道を歩いて
緑色の峠を越えて。