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うんこの叫び
うんこ! うんこうんこうんこ!
ぶりぶりーっ!
中年男性たちは叫んだ
これは世界への叫び
心の中の小学生が
俺達を絶叫へと駆り立てる
ああっ ああっ ああっ
みんなで一斉にスクワット
全身から汗が吹き出す
おじさんの脂汗だ
見ろ
ぬるぬるしている
明日が来る前に少しでも
夢を見させておくれ
★
朝起きるとまだ東の空が明るみ始めたばかりだった
もうずいぶん日が短くなったね
そんなことを思いながら身震い
十一月だよ
思えば随分遠くへ来ちまったものだ
身の丈に合わないことをして
成功も失敗もして
縁もゆかりも無いこの街で
新聞紙にくるまっている
無駄だとは思わないけどね
なにやってんだろうなあっていう
人生だよね
★
せめて行き先くらいはあれば良かったんだが
初乗り切符を買い
列車に乗って
東京から離れていく
そうだ俺は東京にいるべきではなかった
考えたのはそれだけだった
いるべきではなかった街から離れていくと
ああ俺はいるべきではなかったんだなあと
肩の荷がおりた気がした
まあとりあえず
浜松で餃子でも食べようかしら
列車の窓には
根府川の海




