37/42
瑠璃色の空
ぼきぼきぼき
これ骨が折れる音かな
と思って窓の外を見たら
いろんなものが折れてぼきぼきになっていた
俺の骨は大丈夫
なにしろ丈夫だからね
へへへ
世界はいろいろなものが折れた結果
ふにゃふにゃになっていた
ふへふへ
スポンジ状になった世界は
雨が降れば水を吸って
じゅくじゅくと膨らみ
でぶの人が上に乗れば
水がじょばじょばとあふれていく
土に染み込み
地下水脈を通り
やがて愛鷹山のふもとで
湧水となって地表を流れるのだろう
世界を満たす
うつくしい水
○
でもさ、ひとつ訊きたいんだ
僕はどこに行けばいいんだろう
言い換えれば
どう生きるべきか
それは大きな問いだよと
ザ・ビッグダディはこたえた
高級なソファにゆったりと座り
かつては最前線でばりばりやっていたという
しかし今はやさしいでぶのおじさん
お腹のお肉がぷよぷよしている
君はね、自由にやっちゃいかんよ
と、ザ・ビッグダディは言った
誰かの下につきなさい
ちゃんとした師匠の下に
そしてきちんと教えてもらうんだ
どうやって困難を乗り切ればいいのか
どこへ行けばいいのか
そうしてやがて君は気づくだろう
自分の人生というものに
そして、
と、ザ・ビッグダディは言葉を切った
世界は、
ああ、世界は、
まるで瑠璃色の空だ




