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と言った

「あなたのこと別に好きじゃないんだけど

来たければ来てもいいよ」

彼女は歩いている。

ものすごい速さで。

僕は必死についていく。

風景が流れていく。

遠くに山が見える。

大きな川にかかる橋を渡る。

田んぼの中の土の道を行く。

山の麓のちょっとした広場で立ち止まる。

「ここでお昼ごはんにしよう」

彼女はベンチに座ってお弁当を食べ始めた。

僕はお弁当を持っていないので見てるだけ。

「あなたのこと別に好きじゃないから

あげない」

と彼女は言った。



「いわゆるそういう……」

私はそこで口ごもった。

何を言おうとしていたか忘れた。

「何でしたっけ」

と、インタビュアーにたずねる。

「さあ……私に訊かれても……」

と彼は言った。

私は両手をろくろ回しのような格好にしたままで考えた。

何も思い出せなかった。

「そもそもこのインタビューの意味は何なのか……」

「うーん……」

彼もしばらく考えていた。

顎に手をやり沈思黙考した。

そして、

「特にないですね」

と言った。



人生が、いやなほうに向かっている、

という気がしても気にしないのがよい

そういうものだと思って生きるのがよい

……と、お師匠様がおっしゃった。

なにしろお師匠様は偉大な人だ。

若い頃は誰よりも強く、

悪い奴らをちぎっては投げちぎっては投げ

長じて後は頭脳明晰、稀代の天才と呼ばれ

年をとっては心優しき好々爺。

お師匠様を悪く言う人はいない。

それだから私は

そういうものかと思った。

しかし美少女が異を唱えた。

あなたは騙されています、あのじじいに。

なんてことを言うのだ

わたしは憤慨した。

怒りのあまり爆発した。

粉々に砕け散って肉片になった。

それを烏がついばんだ。

「おいしいお肉だ」

と烏は言った。

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