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ソリッドな音

雷鳴が轟くとき 黒雲の中から登場!

おじさんは今日も元気だ

30%オフのシールを全身に貼り

あたかも自分が格安の人類であるかのごとく振る舞う

そうとも我こそは絶賛売出中のアイドルだぞい!

叫ぶやいなや観客席に、無人の観客席に飛び込む!

ゴリッ ゴリゴリッ!

これはおじさんの頭がコンクリートに擦れる音

救急車など来ない 呼ぶ人もいないのだから

やがて雲は晴れ

芝生も鮮やかな真夏のフィールドに

蝉の声がこだまする

ミーンミンミン……


・・・


もし一生に一度のことだと言うのなら

それに賭けてみるのも手だよ

保健の先生はそう言った

外は雨

梅雨の雨

先生は白衣を着て 机に向かって書類に何かを書いている

私の方は見ない

見ないでいい

だから先生は私を見ない

賭けるにせよ やめるにせよ

このがらんとした校舎は 廊下の空気は

私の味方などしないのだろうし

そう思うとひどく胸が寂しくて空虚な感じになる

やめますと

私は言った


・・・


ソリッドな音を出そう と先輩は言った

それがいつのことだったかもう思い出せないし

どういう状況だったのかもわからなくなってしまった

それくらい昔の 私がまだ青春というものの中にあった時代

いまや遥か遠くなってしまったあの頃

記憶はどうしてこんなにも消えてしまうのか

ただギターが 弦の鈍い輝きが

私の記憶の離れたところで かすかに浮かんでいるのだ

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