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人類の思い出
16年前の冬の日 冷え切った教室だった
窓の外の空は重く黒く 降りしきる雪
今日帰れるかなと誰かが言った
君は
春の歌を 歌い始めた
その歌は 届かないよ
雪に染み込んで どこにも
ちいさな石油ストーブの
炎が揺れて そのことに気づく人はなく
寒さだけが 床の近くに溜まっている
君は歌うのをやめなかった
最後まで
最後がきたら
私たちの終わりは
すぐそこにある
愛が世界の端から降ってきてしまったので
この話は終わりにしよう
☆
かずかずの迷いがここにあり
抜け出す方法がわからないまま
わたしたちはからみついて 苦しんでいる
世界は冷たく存在するだけで
助けを求めても 何も変わらず
淀んだ空気の中で 窒息する
だらりと垂れた右腕に
猫は噛みついて
ああこれはおいしくないのだと
悟るのでした
☆
大好きな追い焚き
おふろはあったかく
ごはんはおいしく
人類は幸せ
こんな日が続けばいいのにと
思った翌日に 小惑星が落ちてきたりする
ままならぬ 人生なのです
体を揺らせ 頭を揺らせ
小惑星 ははっ
テンション上げていこうぜ人類
明日は滅亡だ




