表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/100

11-3 慟哭

「がああああああああああっ!!」


 アーシャがダンダンと机を叩いた。


「どうした。」


 レンジが肉を喰らいながら言った。


「ああもう、吾輩がなんでこう隠れて行動せにゃならんのだ。おまけにお主と一緒に。」


「アンタが一人じゃロクに行動出来ないからデスよね。」


 レンジは魔界の住人ということもあって、普通の、ソールディで生活するには大変不向きであった。そこでアーシャがーーアーシャ自身追われる身ではあるがーー匿うことになった。今食べている肉もアーシャが買ってきたものである。


「変装スキルがあって良かったデスよ。」


 アーシャのスキルは変装(チェンジフェイス)。一時的ではあるが、顔を変えることが出来る。


「スキルというのは便利であるな。まぁこの間はそのスキルと思われる物によって酷い目にあったわけだが。」


「デスね。……そんなことはどうでもいいのデス。あのカーネリアにワタシの店が奪われたんデスよ!!」


「またその話か。」


 レンジがこの話を聞いたのは数日前、シアが幽霊屋敷に出かけた後のことであった。それからというもの、彼女は突発的にこの件で苛つくことが増え出した。


「仕方あるまい。あんなヘマしたのだから。」


「むぐぐぐぐぐぐぐ。」


 あんなヘマというのはつまり騎士団の協力者を失ったこと、そして空間の宝玉をみすみす奪われた事である。わざわざカーネリアを陥れようとしなければ良かったのは誰の目にも明らかである。


「その件は一旦置いておきますデス。いい情報が入りましたデスよ。」


「いい情報?」


 レンジは胡散臭い物を見るような目でアーシャを見つめた。


「なんデスその目は!!宝玉の情報デスよ!!……正確には宝玉かもしれないという情報デスが。」


「曖昧であるな。それ信用して良いのか?」


「少なくともあの連中、カーネリア達も得ている情報みたいデスから、奴らを消すにもいい機会デス。」


「何故それが分かる?」


 レンジがそう聞くとアーシャは胸を張って言った。


「ワタシの情報網は既にカーネリアに使われているからデス。つまり情報源が同じという事デスね!!」


「威張っていう事かそれ。」


 だが情報は惜しい。少ない情報が得られ、なおかつ邪魔者を消す機会も得られるならそれに越したことは無い。


「……シアにも連絡するか。」


 暗殺も視野に入れる必要がある。何せあの三人、特に男のスキルは異常である。本当にスキルなのかどうかすらレンジは疑わしいと思った。だが今の所はそれ以外考えられない。


 ともかく、スキルが厄介な相手は暗殺しか無い。それに適任なのはシアである。レンジは連絡魔法でシアに連絡を取った。


(どうした)。」


「あー、ちょっと宝玉かもしれない情報が入ってな。なんでも貴族の家宝が幾つか売られたらしい。貴族の家宝といえば例の宝玉みたいなところあるだろう?だから怪しいのではないか、とここにあるアーシャが言い出してな。」


(ほう)。』


「問題はその情報を敵も、あの憎きカーネリア達も持っているという点なのデス。」


騎士団組(騎士団と組んでいる)連中(連中か)厄介(厄介だな)。』


 その"厄介"に別の意味が込められていることに、レンジとアーシャは気づいていない。


「うむ。だからお主も来て欲しい。」


『……了解(わかった)場所(場所は)?』


「北地区の山の上にある古びれた修道院だ。北地区の町外れで落ち合おう。この後すぐに合流出来るか?」


了解(わかった)。2時間程度合流出来(程度で合流出来る)。』


「ではよろしくデス。」



 通信魔法を切ってからシアは心の中でほくそ笑んだ。


 レストと会える。


 ……だが下手に会えば殺さない事を咎められるかもしれない。


「むむむ……。」


 どうしたものかと考えた結果、一つの案を思いついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ