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第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品

怪盗偽物ハンター

作者: 東の関脇

ゆいこは、博物館、美術館の特別展示を観て回るのが大好きなJK。

けれども何処の博物館も美術館でも偽物が展示されていることが悲しかった。

なかには、盗難防止策としてレプリカが展示されていることは理解していたが、偽物であることの認識が無い展示品には、怒りが募っていた。


そこで♪ゆいこは、先ずは♪本物の所在を探すことから始めた。


ゆいこの若い美貌をフル活用することで、程なくあらかかた、本物の所在が判明した。

その殆どは、非合法な収集品だったので、表立って買い付けることが出来なかった。


ゆいこ「だったら♪偽物を盗み出して、本物の所在地に隠せばイイかも♪」


と思い立ったら吉日♪とばかり、夜な夜な博物館、美術館に忍び込み「偽物」を盗み出しては、本物の所在地に忍び込み、盗難品を隠した風の痕跡を残していったのでした。


確して警察は本物を探し出して、偽物が展示してあった場所に本物を返すのでした。


後日、ゆいこは、喜々として本物を観に博物館、美術館を巡るのに余念がなかった。


そんな ゆいこをジトッと遠くから見つめる美術品の盗難事件専門の刑事が居た。


刑事「盗難品が持ち主に返り、犯人は捕まっているが、最近の一連の盗難事件には共通点が多過ぎる。犯人は、一様に『盗み出されたのは偽物だ!自分の所蔵品は、本物だ!冤罪だ!』と主張している。万が一、本当だったとして。。。『偽物は、無価値。盗難の被害額は、0円。』せいぜい不法侵入で真犯人を捕まえたとして、書類送検したら、

『違法行為スレスレで入手した本物が、美術館で展示されることになった。何が不満なんだ』と検察にイヤミを言われそうだ(笑)」


刑事「だがしかし、盗みは盗みなんだがなぁ〜」

「だとしても、いったい偽物は、何処に隠してあるんだ?」


と呟いてみた。

溜め息と誰にも聞こえない乾いた笑い声が、木枯しとともに消えていった。


展示品を眺めたまま振り向くこともなく、スマホからイヤホンを抜く ゆいこ。


ゆいこ『どうしろって言うの。。。』


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