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 カーテンの隙間から射し込む朝日に照らし出され、光る物があった。

 それは、涙だ。

 閉じられた瞼の隙間から止めどなく流れ出る滴りは、朝日を浴びて悲しい色を放っていた。

 だが、その涙を流した者は差し込む光が煩わしい、とでも言いたげに、身体ごと逃れようとして身を捩ると、その場から消え去った。

 僅かに遅れて鈍い激突音と呻き声が上がった。

「いててて……」

 床に打ち付けた頭と腰を交互にさすりながらゆるゆると立ち上がった者は、顔を挙げて壁に掛けられた時計を確認する。

 時刻は午前四時を少し回った所だった。

 早起き、と言うには少々早過ぎる。

 そのまま時計の隣にあるカレンダーに視線を移した彼の口から、悲し気な呟きが漏れた。

「そうか、今日は父さんと母さんの……」

 再び目尻に涙を浮かべて、丸印が付けられたカレンダーを見詰めていた。

 暫くの間身動ぎもせずカレンダーを見詰めていた彼であったが、悲しさを振り払う様に大きく息を吸い込むと目じりの涙を拭い、軽く両手で頬を何度か叩いて気合を入れ、洗面所へと向かった。

 その後、彼は着替えを済ませて朝食の準備に取り掛かる。

 尤も、出来上がったのはトーストとコーヒーだけ、と言う極簡単な物ではあるが、これが彼の日常だった。

 食事が終わると彼は背の低い収納棚の前に座る。

「父さん、母さん、行ってきます」

 声を掛けながら手を合わせる彼の目に前に、有るのはフォトフレーム。その中にある写真には、とても小さい彼を抱いて柔らかな微笑みを向ける女性と、二人を守る様にして抱く、爽やかな笑みを浮かべる男性が写っていた。

 そして彼は玄関の扉を開け、光の中へと出て行った。

 何時もの様に、日常の営みを始める為に。

 だが今日だけは違っていた。

 鍵を掛けようと振り向いた時、そこには扉が無かったのだ。

 今、彼の眼前に広がる光景は噎せ返るほどの草いきれが漂う森の中であり、数舜前まで居た場所とは全く異なる。

 呆然とした表情で彼は固まり、手にした鍵は足元へと落ちて行った。

 事態が把握出来ない彼は鍵を取り落とした事も忘れ、ぎこちなく辺りを見回す。

「ここ、は……」

 直後、何かが風を切り裂く音がしたかと思うと、トスッ、と言う何かが足元の地面に突き刺さる音がした。

 ゆっくりと目線を下ろし、足元を確認した彼の目に飛び込んで来たもの。

 それは、一本の矢だった。

 彼の住む世界では、殆ど使われる事の無い原始的な武器の一つ。

 それが突き立っていた。

 驚愕に目を見開きながら、彼は慌てて一歩後退した。

 だが、間髪入れず今度は背後から先程と同じ音が聞え、彼はそのままの姿勢で硬直し、動きを止めた。

 すると前方の木立がざわめき始め、一個の人影を産み落とした。

 直後に左右からも現れ、その人物達は彼の事を警戒する様に弓を構えて彼に鏃を向けていた。

 幾ら原始的とは言え、当たり所が悪ければ十分過ぎる程の殺傷力を有しているし、況してや彼の暮らしていた所は、今の様な状態に陥る事など殆ど無い。

 そんな平和な場所で暮らしていた彼からすれば、困惑と恐怖で身が竦んでも仕方のない事だった。

 現れた者達の姿を見て喉を鳴らして緊張する彼に、突然、後から声が掛かった。

「■☆◆*+」

 だが彼には、その言葉が理解出来なかった。

 いや、正確には、聞いた事の無い言葉だった。

 声に導かれる様にして彼が恐々として振り返ると、そこにも弓を構えた人物が居た。

「■☆◆*+!」

 今度はやや強めの声が掛かる。

 向こうも彼の事を警戒しているらしく、緊張の面持ちだった。

 表情から何かを察する事が出来れば、言葉が分からずとも何となくは意味も通じるが、警戒されている、という事しか彼には分からない為、怪訝な表情しか出来なかった。

 ただ、この場で彼が見せた表情は、少々適切とは言えないだろう。

 結果として、彼の前方に居る男が何事かを口にした。

「■*☆+◆!」

 それは何かの指示だったのだろう。

 左右の二人が素早く近付き彼の両腕を取ると、後手に回して手首を縛りあげられ、そのまま森から連れ出されて行くのだった。



               *

 


 彼が連れて行かれた先は、然程大きいとは言えない村の屋敷だった。

 但しその屋敷は、場違いな、と形容してもいいくらいの大きさを誇る屋敷であった。

 その中にある一室に彼は連れて来られていた。

 彼の目の前には、作りは質素だが丈夫そうな机が鎮座し、奥には革張りの椅子が置かれていた。

 彼の両脇には先程両手を縛った男達が立ち、机の左側には短剣を突き付けて来た男が立っている。

 もう一人の男が何処へ行ったのかと言えば、この部屋に入る直前にどこかへと歩き去って行っていた。

 それとこの部屋は少しだけ変わっていた。

 机と椅子以外には何も無く、扉が二つあるだけの、殺風景な部屋だった。

 彼から見て右側の扉が開くと三人の人物が入って来る。

 一人は壮年の男でもう一人は仮面を被った男、そして彼を森から連行して男だ。

 壮年の男と彼を連行して来た男の着衣はそれほど見るべき所など無いが、仮面の男が着用している衣服は、彼の記憶にある中で一番近い物は教会の神父が着ている者に酷似していた。

 それを目にした彼は幾分か安堵した表情を浮かべるも、机の左側に居た男が一人が壮年の男に近付き話し掛けると、直ぐに緊張した面持ちへと戻った。

 壮年の男は頷きつつも、彼に鋭い眼光を注いでいた。

 話を聞き終わると壮年の男は相談でもする様な感じで、今度は神父と会話を交わす。

 そんな彼等を見ながら彼は、意思の疎通を取る事を半ば諦めていた。

 ここに連れて来られるまでは、言葉が通じないのならば身振り手振りで何とか意思疎通を計れないものかと思い、縄を解いてほしいと訴え様としていたのだが、両手を縛られている所為もあって、少し身動ぎするだけで短剣を突き付けられ、怖い思いをさせられた。

 しかも村の人々から罪人でも見るかのような侮蔑の視線まで投げ掛けられては、下手な動きなど一切出来なくなってしまった。

 それにここで身を捩るなどしてまた余計な動きをすれば、何をされるか分からない恐怖も加わり、流れに身を任せる以外に手がない事を、気が付いてしまっていた。

 そんな風に彼が諦観していると、二人の会話も終わっており、神父が話し掛けて来た。

「+◆◎◇▽」

 やはり、何を言っているのか一向に分からない。

 彼が当惑したままの表情でいると、神父はまた、男と話を始めた。

 それが終わると壮年の男は難しい顔をして、四人に指示を出した。

 すると、一人が彼に対して身振りで指示を出して来る。

 出ろ、という事らしい。

 その指示に従い彼は、男に連れられて部屋を出て行った。

 屋敷を出て連れて行かれた先は、村の外れにある石造りの建物だった。

 建物は全ての窓に鉄格子が嵌り、入り口の扉は鉄製の頑丈な物で、一見して何の用途に使われているのかが分かる。

 中に入った彼は内部を見て、やっぱり、という諦めの感情に支配された。

 どの部屋も鉄格子が嵌められ、一部は扉になっていて、開閉出来るようになっており、正しく入る前に感じた通りの場所であった。

 彼はそのうちの一つ、右側の牢に入れられた。

 牢内には左に筵のようなものが敷いてあり、右側の隅に石壁の衝立がある。

 彼は軽く牢内を見回すと、一番目に付く衝立の所に行き、覗いてみた。

 すると、その部分だけは床に穴が開いていて、下を水が流れていた。目線を上げて正面の壁に目をやると、しゃがんだ高さの位置には窪みがあり、紙の様に柔らかい物が置いてある。

 その構造から想像すると、トイレの様であった。

 それを確認した後、彼は左の筵の所に行き座り険しい表情を取ると、暫くの間何事かを考え込んでいた様だが、大きく溜息を吐くと、横になり瞼を閉じるのだった。



           *



 屋敷の別の部屋に二人の男が居る。

 一人は壮年の男。

 もう一人は、仮面を被った神父の様な男。

 先ほど彼に、軽い尋問をした二人だった。

 周囲を本棚に囲まれたそこは、書斎の様にも見える。

 その部屋で壮年の男は椅子に腰掛け、両肘を机に付けて手を組み、先程から何かを考えていた。

 机を挟んでその向かい側には、神父が立っていた。

 考えが纏まったのか、壮年の男の口がゆっくりと動いた。

「あの男の事、どう思うね?」

「どう? と申されましても、我々とは違った服装もそうですが、言葉が通じないのが一番困る、といったところですね」

 その答えに頷くと、今度は机の上に置かれた物に視線を移した。

「これが何か分かるかね? 私には鍵、のように見えるのだが、このような鍵は見た事が無い。それに、一緒に付いている物だが、これが何で出来ているのかも検討が付かん」

 神父も机の上の物に目をやる。

 それは彼が森で取り落とした自宅の鍵だった。

「私も鍵だとは思います。ですが、この様な複雑な構造をした鍵は、私も見た事がありません。それに、付いている物については、形だけならば少々覚えがあります」

 神父の答えに壮年の男は怪訝そうな表情を見せる。

「この形、いや――彫り物、かね?」

 壮年の男が見詰める先には、丸い金属板に、虎の横顔が彫ってあった。

「そうです。その形、いいえ、紋章、と言ったほうが良いかと思いますが、ある種族の中では伝説となっている一族の紋章です」

 壮年の男は目を瞑り押し黙った。

 そして数瞬の間黙考していたが、目を開くと頷き、

「あの一族か……」

 そう言うと険しい表情を見せた。

 壮年の男は険しくした表情のまま鍵を見詰めながら、ぽつり、と呟く。

「これは、何かの予兆なのか……」

 仮面の男は壮年の男に顔を向けたまま、何も言わずに佇んでいたが、沈黙に耐え切れなくなったのか、暫くすると口を開いた。

「このまま牢に入れたままにするのですか?」

 話題の転換とも取れる神父の発言に、壮年の男はゆっくりと首を振った。

「それも出来ん。もう間もなく、出稼ぎに行っておった者達が帰って来るのでな。それを考えると、何処の誰とも知れぬ者に分け与える余裕など無いのだ」

 深い溜息と共に言葉を吐き出した。

「それでは、どうなさるお心算ですか?」

 そう尋ねられると、

「村から放逐するにしても、さすがに着の身着のままという訳にもいかん。幾許かの食料と水を与えて、森にでも置き去りにしようと思っておるが……」

 苦渋の表情を見せた。

「ただ、こちらの言葉が通じぬゆえ、わしの気持ちも通じるかも分からぬがな」

 神父は男の言に半分納得した。

 街道には、様々な危険が待っている。

 その中でも、最も危険なのが徒党を組んだ人間なのだ。

 それが森であれば、人間に出くわす確立が減るだけでなく、運さえ良ければ水や木の実など、生きて行く上で必要な様々な物が手に入りもする。

「それにもしかすれば、あの森の主が助けてくれるやも知れぬしな」

 神父は男の話に耳を傾けていたが、一つ頷くと、

「それでは、今日一日位は牢で過す事を許す、という事で宜しいのですね?」

 その言葉に男は頷き返した。

「無論だ。すぐに出て行け、というほど無慈悲ではないよ」

 そこで男は、苦笑いを零した。

「しかし、困った男ではあるな。終始困惑した表情でいられると、こちらとしても、どうして良いやら悩んでしまったわ」

 そう言うと、二人の間にしばしの沈黙が訪れたが、沈黙を先に破ったのは神父だった。

「では、この鍵らしき物は私から彼に返しておきましょう。それと、そろそろ昼食の時間にもなりますので、質素な物ではありますが、教会から彼に食事も出しておきます」

 神父の台詞に、壮年の男は鍵を渡しながら感謝を示した。

「すまぬな。おぬしには何時も苦労を掛ける」

「これも勤めですから。では、私はこれで」

 神父は一礼すると、部屋を出て行った。

 屋敷を後にした神父は、教会へと戻る道すがら、考え事をしていた。

「レイト村長はあのように仰っていたが、あの気紛れな主が助けるとは思えません。これは何か、手を打っておく必要がありそうですね」

 そして手に握った物に視線を落とし、

「――使えるかもしれませんね」

 立ち止まり、数瞬の間、森の方を眺めた後、また教会に向けて歩き出した。



            *



 神父が〝レイト村長〟と呼んだ男は椅子に深々と背中を預け、目を閉じてしばらく思案していたが、ゆっくりと瞼を開けると、机の引き出しからハンドベルを取り出して鳴らした。

 数十秒後、扉がノックされるとレイトが「入れ」と短く返答すると扉が開いた。

 開いた先には、カッチリとした衣類に身を包んだ男が立っており「何か御用でしょうか?」と一礼してから部屋に入って来た。

「フォルトを呼んでくれぬか?」

「かしこまりました。それでは失礼いたします」

 単刀直入にレイトが用件を告げると使用人の男はまた一礼して、部屋から出て行った。

 レイトはまた、深々と椅子に背中を預け瞳を閉じる。

 その姿は眠りを取るため、と言うよりも、深く思考を巡らせるための様に見えた。

 レイトが思考の海に沈んで三十分ほどした頃、扉が荒々しく開かれ、身の丈二メートルはあろうか、という程の大男が荒々しい足取りで部屋に入って来た。

「ノックくらいせぬか。馬鹿者」

 目を開いたレイトは苛立ちを隠さぬ顔でそう言うと、男をねめつける。

 そんなレイトの視線を無視して、男は文句を垂れた。

「呼ばれて来た早々、説教かよ。で、俺を呼んだ用件はなんだ? 爺」

 レイトは長い溜息を一つ付くと、首を左右に振り、呆れた顔になり口を開いた。

「今朝の事は聞いておるな」

 フォルトは村長から目線を外し、一瞬、思案すると目線を元に戻した。

「今朝の事って、あれか? 森に男が居たって話か?」

「そうだ、その男の事だ」

 フォルトは不思議そうな表情を浮かべた。

「その男がなんなんだよ? なんか悪さでもしたんか?」

「別に悪さをした訳ではない。寧ろ逆だ。何もしておらん」

 何もしていない、と聞いてフォルトの表情は、更に不思議な色に染まった。

「だが、何をするかもわからぬ。言葉が通じぬのでな」

「言葉がつうじねぇだ? そいつは耳が聞こえねぇのか?」

 指で自分の耳を指しながら聞き返す。

「あの様子は、聞こえていない訳ではないな。聞こえてはいるが、理解が出来ぬ、といった様子だな」

「んじゃ、何もわからねぇって事か」

 レイトは頷き「そうだ」と言って話を続けていく。

「そんな訳でな、こちらも対処に悩み、今は牢に入れてある。そこで、おぬしに頼みたい事があるのだ」

「なんでぃ、牢にぶちこんであんなら、俺じゃなくてもいいだろうがよ」

 馬鹿らしい、とでもいいたげな態度を取り笑った。

 それを見たレイトはまた溜息を付いたが、話を続けた。

「実はな、時期が時期なだけに、村に置いておく訳にはいかんのでな、森にでも放逐しようと思っておるのだ」

 この言に、怪訝な表情を示したフォルトが口を開こうとしたが、それをレイトは手で遮り続ける。

「ただし、水と食料を持たせようと思う。まあ、三日分ほどではあるがな。そこでだ、森に放逐するまでの護衛を、おぬしに頼みたいのだ。さすがに、放逐するまでは責任を持たねばいかんからの」

 そこまで話して、フォルトの様子を窺うと何事か考えていた様だが、直ぐに口を開いた。

「でもよ、森なんぞより街道のがよくねぇか? 街道なら、必ずどっかの村とか町に行けるしよ」

 レイトは、予想した通りの答えだ、と思った。

「おぬしなら、そう言うと思っておった。だが、忘れてはならぬぞ。あの男は、言葉が話せぬのではなく、分からぬのだ。おそらく、他の村や町に行ってもどうにもなるまい。それどころか、途中で野盗に襲われかねん。なるべくならそれは避けたいのだ」

 フォルトが情けないといった顔付きになる。

「とどのつまり、村の評判が気になるってことか。右も左も分からねぇ奴を追い出して、それが襲われたとなりゃ、どこの村の、誰がそんな事したかって、こんな辺境じゃ直ぐ分かる。そうなりゃ、村全体の評判になっちまうからな。でも、森で野垂れ死にする分には何の問題もねぇ。しかも、食料を持って森に入ってりゃ、何かの狩りに出たって事に出来る。――つまりは、そうゆうこったろ?」

 フォルトは、一気に捲くし立てた。

 レイトは感情の篭らない目でフォルトを見詰めていた。

 対するフォルトは、侮蔑の眼差しを送っていた。

 そんな二人の間には、徐々に重苦しい空気が漂っていく。

 だが、先に根負けしたのはフォルトだった。

「わかったよ! やりゃいいんだろ!」

 観念して両手を肩の高さまで上げ、投げやりに言い放つ。

 それを見たレイトは頷き、口を開いた。

「森に連れて行く時間だが、明日の夜明け前、それもまだ暗いうちがよかろう。他の村人には見つからぬように頼む」

 フォルトがそこで口を開こうとしたが、レイトが再び口を開く方が早かった。

「それと、もう一つ」

 そう告げられると、フォルトは心底嫌そうな表情で「まだあるのかよ」と呟いていた。

「そう嫌な顔するでない。お前の他に二人ほど連れて行くが良い。万が一のためにな」

「万が一?」

 レイトは頷き、答える。

「あの男が、なんらかの抵抗を見せた時の、用心だ」

 フォルトは、頷き答えた。

「わかった。人選はこっちで勝手にやらせてもらうが、いいな?」

「それは任せる。その方面では、わしよりもおぬしの方が詳しいからの」

 そう言うと、レイトはフォルトと目を合わせる。

 フォルトも見返すが、幾分、侮蔑も含んでいる様であった。

「んじゃ、俺はこれから戻って昼寝すっからな。もし何かあったら俺じゃなく、自警隊詰め所によろしくな」

 背を向け片手を挙げながら、肩越しに振り返りそう言い放つと部屋を出て行った。

 見送ったレイトは息を吐き、また椅子に深々と背を凭れさせ、今度こそ仮眠の為に目を閉じるのだった。

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