珈琲店での出来事…
午後になろうとして…陽の光の線をそっと見送る…
憂鬱なこの気分は多分、後頭部の鈍い痛みのせいだろう…
昨日首を揉みすぎたんだ…
ちょっと痛い感じがする。
ボクは、コーヒーを一階へ飲みに行った…
あくる日もこういう生活をしているんだろうか?
そうコーヒーをすすりながらボクは思うと
ゾッとしてきて、とりあえずこの孤独な生活を
どうにかしないとと思い…
ボクは一人を嫌って、カフェへ向かうことにする…
カフェでは同じような感じの人が多く来ている。
でもボクよりはマシだろう…
楽しく話をしている人もいる…
多くの人が感じるように、話を簡単に出来たなら
多分この国は孤独はなくなるんだろうなと…
話しかければ変人扱いされかねない…
と、嫌悪感を抱くことをさておき、
とりあえず思考を変えてみることにする…
ボクは珈琲店をそっと外に眼をやった…
自転車置き場にボクの自転車がおいてある…
かれこれあいつには長い間お世話になっているな…
と、感謝の念を抱きつつ、その隣を見る…
年取った年配の男性と、女性が座って話をしている…
きっと老夫婦で、散歩がてらに、カフェに入ったのだろう…
きっと…
ボクはその後、また暗くなってしまった…
あいつどうしてるのかな…
それはさておき…
ボクはまた思考を変えることにした…
今朝はやっぱり朝の稽古はしていたので
体や、気の働きは安定しているんだと思う…
もうすぐ働こうと考えていたことを思い出し…
ボクはふと近くにある、求人情報誌を手に取る…
相変わらずの不況だ…
しかしこうも言っては居られない…
いくら世の中が不況でも、いくらお金を出さない
80%の膠着化した、富裕層達の中にあっての
生活でも…
やっぱり経済活動をしないと…なっと!
そういうわけで、ボクはそろそろ働く!
と言うことを何度言っているのだろう?
ふと、ボクは、ある派遣会社に眼が止まった…
なんのことはない、ただ日払いと書いてあったから
気に入っただけだった…
こんな生活よりましだろう…?
ボクはその日払いの派遣会社に面接に行くために
支度をしに、家に戻った…
ボクは、履歴書を簡単にボールペンでちゃちゃっと書き、
そして、その派遣会社に自転車で向かった…
派遣会社には、予め電話をいれておいた…
屈強そうな骨太そうな体育会系の人が出て
面接はひとまず来てくれとのことで…
ボクは、その時間に間に合うよう…三十分前につくように
計算して家を出た…
人生なんて…ちゃらんらんららら〜んら〜ん♪
ぼくは、総鼻歌を歌った…
別になんの意味もない…
ボクはその派遣会社に辿り着き、そしてノックを2回して
ガバッとドアを開けた…
もちろんどうぞという声の後にだ…
そして、ボクはそのアグレッシブな光景にびっくりした…
それもそのはずだった…
このボクはこう見えても、山の手のお高くとまったお家柄…
こういう世界に入ったのも何かの縁ではあるが…
ちょっと今までの学生気分の世界とは違っていた…
ボクは、その時初めて知った…ボクは、右も左も解らない
ピヨコロなんだと…
(ピヨコロとはピヨピヨなくヒヨコのことであり、造語である…)
そして、その後、その世界の荒波に飲まれることになろうとは…
思いもその時は、しなかったのであるが…