転校生
「おはよー! 遅れてごめんな」
10分遅れで担任が教室に入ってきた。 私はため息をつく。 休み時間なくなるんじゃね?
「先生ー!今日、転校生が来るってほんとですかあ?」
担任の姿をみるなり生徒たちは同じようなことを口々に言う。
担任は目をぱちくりとまばたたかせた後にため息を吐く。
「おまえらさあ、いつも思うんだけれど、何処から情報をーー」
「先生ー!どーなんですかあ。」
言葉をさえぎられ、担任は不満そうに頭をかく。
「あーあーあー。もう……。おまえらちょっと静かにしろ。」
担任の苛立った声を聞き、生徒たちはすぐさま口をつぐむ。
それをしばらく見つめ、担任は口をひらく。
「おまえらが何処からそれを聞いたかは知らないが、転校生が来るということは事実だ。」
その言葉に歓声があがった。
もうマジで勘弁して……
本読みたいんだけど。あぁ、もう……
「しかしだ!!」
ビクッ
担任の大きな声に私を含め、全員が肩を震わせた。なんだよ……。
静かになるのを見届け、担任は再び口をあける。
「残念ながら、今転校生はこない!」
………………………………………………………………………………………………………………………………………………はあ?