はじまり
ざあっ
そびえ立つビルの屋上に少女は立っていた
その手には、杖が握られている。
少女は腕を組み何かを考えているように、
目を閉じている。しかし、それは終わりを告げる。
少女は、目をあけ、杖を振り上げた。
さて、始めようか!
ふと読んでいる本から視線を外しまわりを
見回す。今日はなんだか騒がしい。
会話を聞くと、転校生が来るらしいということが分かった。そうか、そうか……。
心底どうでもいいな。
私は再び本に視線をもどす。まあ、聞こえることには変わりないが。
「転校生どんなかなぁ」
「男、女どっちなんやー?」
「さあ……」
「女の子ただったらいいのになぁ」
「いやいや、イケメン男子がいいなぁ!」
「あはは!」
あはは。朝から元気いいね。
ちょっとばかしうるさすぎるけどね。
私はそう言いたくなる衝動を抑え、小さく溜め息を吐いた。
ああ、早く帰りたい。
朝の会が始まった。先生は、まだ来ない。それにより、みんなは転校生がくると確信したらしく、先ほどよりもまたいちだんとうるさくなっている。
…… 先生、早く来ないかなあ。私は本の続きが読みたいんだ。
読んでいただき、まことにありがとうございます。
少しずつかいていきます。
よろしくお願いします。