(6)
今回は遥佳目線!!
「遥佳ちゃん!」
「え……?」
私が目を覚ますと、そこには柚伊里、瑠奈、そして見知らぬ顔が二つあった。
それに、天井もあった。
私、部屋にいるの?
二人を学校に連れて行くはずだったのに……。
何してたの?
私は、なぜこんなところにいるの?
「遥佳ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫……。ここ、どこ?」
私が訪ねると、見知らぬ人が答えた。
「病院よ。大丈夫?」
こんな大人びた口調なんだから、きっと看護師さんだ。
じゃ、もう一人は……?
私は何で病院にいるの?
「あのねっ、遥佳ちゃんを助けてくれたんだよっ!」
は?
あ、瑠奈か。
瑠奈だったら、こんな話し方でも信じられなくないけど。
「も~、瑠奈ったら、そんな話し方だったら伝わらないでしょ。」
柚伊里が言った。
さすが柚伊里だなぁ。
良かったよかった。
やっぱり柚伊里がいたら安心だなぁ。
それにしても……。
私は何でこんなところに?
「ねぇ、私なんでこんなとこにいるの? 学校はどうしたの?」
私の問いかけに、二人が口をそろえて言った。
「倒れたんだよ。」
はぁぁぁ!?
じゃ、そのせいで二人の学校生活初日を台無しに!?
何で倒れたの!!
このバカ!
「ごめんね、瑠奈、柚伊里……。」
私は泣きそうになりながら言った。
すると二人は笑って、「大丈夫!!」と答えた。
なんていい子なの……。
誰に育ててもらったんだろう?
学校長か。
学校長、この二人に執着してたんだなぁ。
だからこんなに大きくなってから、人間界に来たんだ。
私なんか、5歳に来たのに。
つじつまが合わないかな?
二人はたしか、一人では生活出来ないから遅くなったんだよね。
じゃ、私は何でこんなに早くここに来たんだろう?
学校長は、何を考えているの……?