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ついに完結です!!

「ただいま!!」


「ただいま」


瑠奈と柚伊里が家に帰ると、そこは静かだった。

いつもなら、遥佳が迎えてくれるから、二人は不思議に思った。

そこに、遥佳の声が飛び込んできた。


「えぇっ!? 帰る!?」


「遥佳ちゃん!?」


瑠奈が遥佳の声のした方に走って行った。

そのあとから、柚伊里も走ってきた。


「あ……瑠奈、柚伊里。あのね、魔法界に帰るって」


「え……!?」


瑠奈と柚伊里は同時に言った。

急なことだったので、遥佳も驚いていた。


「何で、魔法界に?」


「柚伊里のお母さんとお父さんが……呼んでるって。悲しいって」


その言葉を聞いて、瑠奈はとても落ち込んだ。

瑠奈には両親がいなかったからだ。


「遥佳ちゃん、私は……?」


「もちろん、瑠奈もよ」


当たり前のことのように言う遥佳に、瑠奈はとても驚いた。


「私も帰れるの!?」


「そうよ」


瑠奈は飛び上がって喜んだ。


「転校届出さなきゃ」


遥佳はまた忙しそうにしていた。

こうして、二人は人間界を旅立った。

遥佳も、魔法界に帰ることになった。





~魔法界~


「お帰り、柚伊里、瑠奈、遥佳。ゆっくりしていきなさい」


瑠奈は学校に住むことになった。

柚伊里は両親のもとに帰り、遥佳は自分の家へと戻った。



「学園長、ありがとうございます。私は、本当にここに住んで良いのですか?」


瑠奈は、学園長の前ではいつもと違うようになる。

学園長の気迫に押されているのだろうか。


「いいえ。これからは私を母親だと思ってくださいね」


学園長の年齢は分からないが、見た目だけで見ると、30代くらいに見える。

実際、年齢を知る者はいない。


そして、瑠奈は、学園長のもとで一生を暮らした。



「リイユ!!」


「あ……私、リイユだったね。もう、柚伊里が染み付いちゃったよ」


リイユは笑いながらそう言った。


「そうね。これからは、どちらでもいいからね」


リイユの母は、優しい笑顔でそう言った。


「うん、分かった。ありがとう、お母さん、お父さん」


「あら、やけに素直ね。お父さん、見てくれているかしら」


リイユのお父さんは、リイユが人間界にいるうちに亡くなってしまった。

リイユは父の姿をもう、見れなかったのだった。


(お父さん、私は元気だよ。私、一か月後に10歳になるんだからね。

 もちろん、人間界での数えだけど。これからは……リイユだね)


リイユは心の中で、そう思った。


「リイユ? どうしたの?」


「あっ、何でもない。今度、学校に行ったとき、瑠奈に……じゃなくて、

 名前なんだっけ……。あ、ルウラだ!!

 そう、ルウラに会うの、楽しみだなって。」


「そう。じゃあ、今日は早く寝なさい」


「はぁい」


リイユはベットの中に入って行った。



「ハルル、久しぶり!! 何年ぶりかなぁ!?」


ハルル(遥佳)は、昔の友達と会っていた。


「どうだった? 人間界は」


「そんなに面白いところじゃないよ。行きたいなら、私に魔力ちょーだいよ」


「あっ、それはダメ―。ねっ?」


ハルルの友達がそう言った。


「あ、うん。そうだね」


「え? 何々~?」


ハルルがそう聞くと、もう一人の友達が言った。


「ちょっと、ホウキブームになっちゃってね」


どうやら、古臭いと思っていたホウキが、人気になったのだ。


「へぇぇ。私がいない間にそんなことが……」


「いやいやいや、アンタが帰ってきた瞬間そうなったんだよ。英雄さん」


「はぁ? どういう意味?」


ハルルは厭きれたように友達たちを見下ろした。


「だーかーらー、ハルルが帰ってくるときにホウキで帰ってきたでしょ?

 そのせいなのー」


ハルルは意味が分からなかった。

自分がホウキで帰ってきただけで、そんなことになるなんて、

思ってもいなかったからだ。


「そ、そうなんだ」


ハルルは、そう言ってうなずくしかなかった。



そして三人は、今も幸せに暮らしている――――――。

終わった……。


長かったですね。


意外と。


では、読んでくださった皆さん、ありがとうございました!!

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