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案の定、飲みに誘われた僕は大衆居酒屋で同じ課のメンツとちびちびと酒を飲んでいた。
やれ、あの上司は自分を理解してない。
この仕事はこうしたほうが効率がいい。
日頃溜まった愚痴を笑いを交ぜながら、皆で話す。
金曜日というのもあって他のメンツは、かなり酔っているようだ。
正直、仕事なんて相手を理解する必要はないと思っている僕にはどうでもいい話だ。
適当に相槌を打ちながら、その場をやり過ごす。
そういえばメッセージが来ていたな…
僕の興味はそれだけだ。
飲みもお開きになり、僕は終電前の空いた電車でアプリを開いた。
1つは、ハンドルネーム『草』からで、次はどうするかという指示の求め。
もう1つは、ハンドルネーム『月』からで内容は、住所と名前が書かれていた。
仕事の依頼だ。
まずは下調べからか。
『月』に了解と返信をして、駅につくまでの間を目を閉じることにした。
白い息を吐きながら僕はまだ薄暗い中目覚める。正直、まだベットから抜け出したくはないが仕事だ。仕方ない。
手を擦りながら、冷蔵庫に入っているコーヒを電子レンジで温めている間にタバコに火を点け頭を起こす。
アプリを起動してもう一度メッセージを確認する。
取り敢えず、最寄り駅に向かうか。
温まった香りの抜けたコーヒをすすりながら
僕は煙を吐いた。