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苦手な方はご注意ください。

おじさん

作者: 水依ゆさ

今日妹とけんかした

私は何も悪くないのにお母さんが

お姉ちゃんなんだからと言って

私ばっかり怒った

妹なんていらない

一人っ子のほうがよかった

ってお母さんに言ったら

もっとお母さんに怒られた

お母さんなんて嫌いだ

仕事ばっかりしているお父さんなんて嫌いだ

妹なんて大っきらいだ


ある時の学校の帰り道私は知らない人の家についていった

知らない人についってちゃいけませんってお父さんは言ってたし

お母さんも知らない人と話しちゃいけませんって言ってたけどついて行った

嫌いな人の言うことなんて聞かない

みんなみんな大嫌い

ってその知らないおじさんに言ったら

おじさんも子供のころはそうだったよ

って笑った

その笑顔が自分と同じに思えた

おじさんは小さい頃おじさんのお父さんによく殴られていたらしい

だからおじさんはお父さんのことが嫌いだって言っていた

殴られていることを知っていても助けてくれないお母さんも嫌いだって言っていた

君はお父さんに殴られたことがあるかい

っておじさんが聞いた

ううん、怒る時はあるけど殴られたことはないよ

って私は答えた

君のお母さんは君のことを助けてくれるかい

うん、困った時はいつも助けてくれる

あれっ

私はよく考えてみた

お父さんもお母さんも妹も

嫌い

嫌いだけど

……本当は大好きなのかもしれない

家に帰りたいかい

うん

そう言ったらおじさんは

もう夕食の時間だ、おかえり

そう言って、わたしの手を離した

困ったら、また話を聞いてあげるからおいで

おじさんは言った。

私はありがとうってお礼を言っておじさんの家から出た


おじさんは少女が家から出ていくのを

窓から見ていた

そしてついさっきまで少女が座っていた場所に

シュッとナイフを投げつけた

「あーあ、久々のお客さんだったのに」

そういって笑うおじさんは、さっきまで少女に見せていた笑いと異なる笑みを浮かべた。

おじさんは思い出したように

押し入れの前にまで来て、ふすまを開けた

押し入れのふすまを開けた男は

「ごめんね、この中にまだ入りたくなかったんだって。」

と中にいるものに向かっていった


家に二度と帰れない子供たちの死体たちにむかって

いった



やったらだめだといわれていることをやってしまいたくなるのはなぜなんでしょうか?

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