魔神戦争
お待たせ致しましたミラクルストーンⅢの連載を開始致します。
今回から物語は戦争と恐慌の時代に突入する為に残酷な描写が多くなります。なるべくそのような描写は書きたくなかったのですがそれがこの物語のメインテーマに直結している為に止むおえず書きました。
どうかご了承下さい、
投稿は一週間で完結するペースで行おうと考えています。
更に約束したの冒頭での登場人物紹介は後書きで行います。
新たな登場人物も追加されますので…
ではどうかこの『妄想の変人』の与太話に最後まで御付き合い下さいませ。
序章
12月8日の朝、その昇る朝日に今日に希望を抱いている者は少ない、
その日はTV放送を流している文明圏の国々では朝から全てのチャンネルで臨時放送が行われている。
それは隕石の落下を伝える臨時放送、その悲惨な災害現場がテレビ画面に映し出される。
そしてそこに新たな情報が伝えられる。
巨大隕石、それが地球目指して宇宙空間を飛んできているという情報、それらの信憑性を伝えるデーターが公表される。
その巨大隕石は太古に恐竜を滅亡させた隕石の数百倍の大きさでもしそんな物が地球に衝突したら生きる者のない死の星にこの世界は変わってしまうだろう、
自分は生き残れるのか?
それはどうすれば?
そんな生き残りたいと望む者はその方法を模索する。
しかしその情報で自暴自棄になった者達は世界各地で暴動を起こす。
そして何もせず運命に成り行きを任せる者は全ての希望を打ち捨てる。
自分が信じる神仏に希望を求める者もいる。
しかしこの世界には神も仏もいないのだ。
あの奇跡の石を握ってきた者達が神と悪魔の役割を演じていただけなのだ。
だから必ず奇跡は起きる。
しかしその事実を知っている者は世界中にいったい何人いるのだろうか?
そしてその破滅を救える唯一の存在が1人だけいることを知っている者はさらに少ない、
もう開かれた破滅への扉、それは世界を救える存在の心の中にある。
そんな世界を救える存在はこの世界を1番憎む者へと変貌してしまったのか?
もう開かれた破滅への扉、それを閉ざすためには鍵が必要、
その鍵は世界を憎む者を愛する者に変えるための鍵なのか?
しかし破滅を望む者はその鍵を自分の野望に利用しようと企む、
なぜなら破滅に絶望する人々が自分に力をもたらすからだ。
その力を集めれば自分は神になれると信じているのだ。
その男はその力で世界を救い、そして救いのない世界を望んでいるのだ。
そんな永遠に人々が苦しむ絶望の世界を創り出したいと望んでいるのだ。
その心は全ての者を憎んでいるから、
生きている人間を全て憎んでいるから、
その男の名は石崎喜久雄、あの世界を牛耳る組織の支配者、いや、もはや組織ではなく今は世界を手中に握る男、
その男は臨時国会が開かれる間際の国会議事堂の中で総理大臣と会談している。
この国の政府が極秘裏に作った巨大な避難用の地下シェルター、その中に入れる者達の資格について語り合う、
政府要人とその家族は当然として残った席はどうやって決めるのかを、
しかそその自ら魔神と称する男は優秀な人材だけを残すと訴える総理大臣の提案を鼻で笑いこう告げる。
「優秀な人材?それならあのシェルターの事を全国民に公表するのだ。テレビを使いこの国中にだ。そうしてそこに辿り着けた者だけが中に入れる。これが1番公平でそして優秀な人材が集められると思はないかね?」
その言葉に唖然とする総理大臣、そんなことをしたらパニックなりあのシェルター目指して暴徒化した国民が押し寄せて来る。
その全ての者を受け入れることなど到底できない、その受け入れ人数は最大で10万人、だから必然にその席を求め殺し合いが始まるのだ。
「あのシェルターに辿りつけるためには資格が必要にすればいい、そうだな…10万人分のカードを用意するのだ。その5万人分はシェルターを守る者に配分する。国民共に配分するのは残りの5万でいい、そしてなるべく弱そうな者達に送りつける。そのカードを持っている者だけがシェルターに辿りつける。もちろん、その送りつけられた者以外の者がそれを持っていても問題はない、そのカードは携帯端末に送りつけたパスワードでいいのではないかな?そのカードを持つ者、それは強者でなくてはならない、そうして弱い者は破滅の前に淘汰されるのだ。全国民1億3千万人がその10万人分の席を求めるザバイバルゲームが始まるのだ。それならその優秀な人材とやらが自然と集まる。それは実に楽しい見物だと思わないかね?」
その言葉に思わず身震いする総理大臣、しかしこの男の言うように生き残る者を誰が選ぶかなど政府だけで決められない。だからこの男の言うようにするしかないのだ。
「私の言う事が理解出来たらこの事を国会に議案として提出したまえ、しかし安心しろメタリックオレンジストーン、この議決は必ず通るはず。全ての国会議員にカードをやると言ったならね、その家族の分も渡してもいい、とにかく時間は今や非常に貴重だ。だから速やかに私の命令を遂行するのだ」
やがて総理大臣は項垂れながら面談室を後にする。
それは誰にも逆らえない男の命令だ。だから実行するしかない、
この国には今は戒厳令が布かれている。しかし国会議事堂周辺は政府に打開策を求める群衆が溢れている。
それを鎮圧するために発砲を許可された機動隊や自衛隊がその周辺の守りを固めている。
そしてどこかで銃声が響きわたる。
また愚かなゴミが始末されたらしい、
この魔神が握る石にその絶望にまた新たな力が加わる。
そうこの男にとって人間など力を得るための生贄でしかないのだ。
この絶望を吸い寄せる石は確実にその力を増してゆく、
そんな更なる力を求めて魔神の目が不気怪味に怪しく光る。