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ごった煮。  作者: 冷や奴
9/10

影と少年。

 何かの気配に振り返ると、そこには一つの影がいた。

 影はみるみるうちに膨れて人の形をして、ぼくの足元から、プツリ、と切れた。


「ぼくはだれ」

「きみはかげ」

「ぼくのかげ」

「きみがかげ」

「きみのかげ」

「ぼくのかげ」


 ふむ、ふむ、と何度も頷く影は、次にこう言った。


「なら、交換しよう」

「きみと、ぼく?」

「きみと、ぼくを」

「かまわないよ」

「ほんとうに?」

「ほんとうに」


 面白そうだから、と、は言った。


 ああ、ああ。


 これではどちらが影で

 どちらが本物なのか。


 分からない、分からない。


 けれどもそこには、また、同じように少年と影が佇んでいた。

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