【裏話】まきぽんと学ぶ!?『今はまだ小さき炎』用語解説
本編番外編「今はまだ、小さき炎」に登場した特殊な用語と、『ティルナノ』の魔法システムを、エリアス先生と生徒まきぽんのコント……もとい、授業形式でまとめました。
いもモーの世界観を深く味わうお供として、お楽しみください♪
きーんこーんかーんこーん……
——ここはリアンナハ王城の片隅にある、静かな図書塔の一室。
たくさんの古文書に囲まれた落ち着いた空間で、今日も若葉マークを額に貼り付けたまきぽんが、エリアス先生から『ティルナノ』の魔法特別講義を受けています。
エリアス(以下:エ)「——魔法とは、言葉と想いを媒介に、自然律へアクセスする行為です」
まきぽん(以下:ま)「???」
エ「つまり、呪文は詠唱者の想いを世界に伝える言語化装置であり、発動の強弱は『知識』よりも『心の向け方』として解析され……」
ま「……せんせー、難しくてぜんぜんわかりません……(泣)」
エ「えっ、そうですか……では、簡単に説明しますね」
ま「お願いしますっ!!」
【魔法体系概論】
ま「ねぇ先生、なんでティルナノの魔法って、失敗すると爆発するんですか!?」
エ「……それは、君が『燃やそう』と思ったからです」
ま「え!? 気のせいじゃなかったの!?」
エ「気のせいではありません。ティルナノの魔法は『感情演算型』なんです」
ま「……また難しい単語出た!」
エ「では、順を追って説明しましょう」
◆魔法とは、想いを伝える『言語化装置』
エ「まず、呪文というのは『言葉の力』そのものです。
詠唱者の想いを、世界に伝えるための翻訳装置なんです」
ま「翻訳? 日本語からケルト語に?」
エ「いえ、『心の言葉』を『現実の現象』に変える翻訳です。
この世界では、知識よりも『心の向け方』のほうが結果に影響するのです」
ま「要するに、技術じゃなくて気持ちが大事ってことですね!」
エ「はい。たとえば——」
◆フィア・ベグを例に挙げると
エ「同じ火の呪文でも、想いによって結果が変わります。
『照らしたい』と願えば『灯火』になり、
『燃やしたい』と怒りで唱えれば『爆炎』になる」
ま「うわぁ……私、完全に後者だった……」
エ「ええ、よく覚えています(にっこり)」
ま「そんな笑顔で言わないで!」
エ「君が初めて正しく火を灯したとき、
あれは『守りたい』という願いが形になった瞬間でした」
ま「……そっか。あのとき、心のどこかで
『誰かを守りたい』って思ってたから、きちんと灯ったんですね」
エ「それがティルナノの魔法の本質です」
◆技術的な仕組み
ま「でもそれって、どうやってゲームで再現してるんですか?」
エ「いい質問ですね。開発段階では、“Emotion Rendering Layer”と呼ばれていました」
ま「え、えも……?」
エ「覚えなくて大丈夫です。
従来のMMOでは数値化できなかった『感情パラメータ』を、
詠唱時間、声の抑揚、思考速度、視線の焦点距離などから推定して演算するシステムです」
ま「えっ、そんなのまで見てるの!? プライバシーゼロじゃないですかっ!」
エ「大丈夫、君たちの心のデータは、ちゃんと匿名化されています」
ま「ほっ」
エ「要するに——
強く想えば、強い魔法になる。
恐れれば、魔法は暴走する」
ま「……じゃあティルナノは、心がコード化される世界なんですね!」
エ「ええ、そういうことです」
ま「……んー、ちょっと怖いけどロマンチック!」
エ「『想い』が世界を動かす。それがこの世界のルールです」
ま「待って……じゃあ、本気で『想えば』なんでもできちゃうんですか?」
エ「いいえ。それはこの世界でも理に反します」
ま「えっ?」
エ「どんなに想いが強くても、魂がその力を受け止める器を持たなければ、魔法は発動しません。
つまり——『レベル』や『ステータス』という形で、魂の容量には限界があるんです」
ま「なるほど……ということは、キャラクターの能力値オーバーの呪文は、システムに拒まれるんですね!」
エ「はい。想いは無限でも、世界は有限ですから」
◆まきぽんの初めての『灯』
ま「じゃ、あの時の爆発は……」
エ「『燃やしたい』という衝動が、暴走として現れたんですね」
ま「で、次に『照らしたい』『守りたい』って思ったら、ちゃんと火が灯った」
エ「ええ。君は自分で『願いの形』を掴んだ。
——それこそが、魔導士としての第一歩です」
ま「えへへ……じゃあ、あのときの火は『希望の灯』だったんですね」
エ「そうです。女神ブリギッドの象徴、『希望の灯』。
ティルナノのすべての魔法は、そこから始まります」
ま「なるほどぉ……(半分わかってない)」
エ「(苦笑)……まぁ、今はそれで十分ですよ」
ま「じゃ、お話の中に出てきた、むずかしそーな単語も教えててください!」
エ「わかりました」
【魔法、用語解説】
◆フィア・ベグ Fíadh Bheag(小さな火)
エ「まずは君の得意技ですね」
ま「えっと、指先で『ぼふん』って爆発するやつ!」
エ「……言い方が悲しいですね」
ま「だって本当に爆発したもん!(涙)」
エ「これは『灯すための火』です。焚き火や蝋燭をつける、祈りの火。
『燃やしたい』と想うと爆発しますが、『照らしたい』と願えば優しい灯になります」
ま「つまり、『心の使い方』で結果が変わるってことですね!」
エ「その通り。よく理解できているようですね」
◆ガル・ナ・エス Gáel na Aois(時の輝き)
エ「これは私が見せた風の初級魔法です」
ま「そよ風がすごくきれいだったやつ!」
エ「穏やかな心で唱えれば花を揺らす風、怒りで唱えれば嵐となる」
ま「ということは……『感情』が、強弱を変えるスライダーになるんですね!」
エ「……ゲーム的に言うなら、そういうことです」
◆原初階位 Primal Hierarchy
ま「これ、名前からしてチートっぽいです!」
エ「強いというより、『世界の根本に触れる権限』です」
ま「なんか偉そう……!」
エ「いや、偉くはありません。『創造言語』へのアクセス権。
開発者が世界を維持するために設定した最上位層です」
ま「さいじょういそう……」
エ「簡単に言えば、ルート権限です」
ま「つまり、せんせーはチート?」
エ「違います!」
◆記録守護継承者 Archivum Successor
ま「これも先生だけの称号ですよね?」
エ「ええ。『世界の記録』を読む資格を持つ者のことです」
ま「簡単に言えば、ログ管理者」
エ「ざっくり言うとそうですが、言い方が味気ないですね」
ま「だってゲームですし!」
エ「……否定はできませんが」
◆星詠み Astrea Divination
ま「これは、未来を占うスキルですか?」
エ「そうですね。けれど占いというよりは、解析に近いです」
ま「解析?」
エ「星々の配置は、マナの流れや世界の状態を映し出しています。
この世界では、星は単なる光ではなく、世界の情報が刻まれた記録媒体なんです」
ま「えーとそれは……星が、空に浮かぶサーバー……ってコト!?」
エ「……表現が大胆ですが、あながち間違いではありません」
ま「よかった(笑)」
エ「星詠みとは、星々に刻まれた世界の情報を読み取り、変化をリアルタイムで観測する技術のことです」
ま「なるほど! つまり……サーバーやシステムのリアルタイム監視?」
エ「……もうちょっとファンタジー的に表現しましょう(汗)
たとえば、『世界の息づかいを読む術』ですかね」
◆神聖召喚 Hieros Invocation
ま「召喚って、モンスター呼ぶ系ですか?」
エ「似ていますが、ティルナノでは少し違います。
神聖召喚は、『ブリギッド』の演算領域を経由して、自然の力を呼び出す儀式魔法です」
ま「えーっと……ブリギッドって、女神様ですよね?」
エ「ええ。この世界の創造を担うシステムの中枢、つまりサーバーのような存在です」
ま「サーバー……じゃあ祈る=アクセス要求?」
エ「……まぁ、だいたいそんなところです」
ま「なるほど、女神様とおしゃべりできるスキルってことですね!」
エ「正確には違いますが……、夢のある解釈ですね」
ま「今度はファンタジー的に表現してみました(笑)」
◆自然律操作 Natura Regula Manipulation
ま「先生の十八番ですね」
エ「風向きや燃焼速度など、『自然のルール』そのものを書き換える術です」
ま「いやそれ、もう神様じゃないですか!?」
エ「いえ、私はただ……『世界と対話している』だけです」
ま「(あ、出た……なんかかっこいいこと言うモード……)
対話?? どういうことですか?」
エ「この世界は『自然律』と呼ばれる法則で動いています。
たとえば『炎は上に昇る』『風は温度差で生まれる』。
それらは決められたルールのように見えますが、実際には——
女神ブリギッドの意志が形になった数式なんです」
ま「数式か……。
つまり自然律操作って、女神様にお願いして、
一時的に変数を書き換える……みたいな?」
エ「いい表現ですね。力ずくでねじ曲げるのではなく、
『どうか一瞬だけ風を止めてください』と世界に願うような行為です」
【まとめ】
エ「魔法とは、心の数式です。
理論で動くものではなく、理解によって開かれる力。
君の『灯したい』という願いが、世界を変える最初の方程式です」
ま「最初の方程式かぁ……なんかちょっと、この世界のこと、わかったような気がします」
エ「それはよかった、教えた甲斐があります」
〜講義が終わって〜
ま「先生、今日もありがとうございました!」
エ「……まきぽん。
魔法は、強くなるための手段ではなく、心を伝える言葉です。
そのことを、どうか忘れないでくださいね」
ま「はーい!
ん? ……開発者……権限……? はっ! そうだ!」
エ「なんでしょう?」
ま「せんせー! ……私のガチャ、今後は全部当たるようにしてください!」
エ「それは無理です(笑)」
ま「えぇ〜!? 開発者権限の意味〜〜っ!」
読んでくださってありがとうございます!
今回は、本編『今はまだ小さき炎』で登場した用語や魔法体系を、まきぽんとエリアスの掛け合いで少しだけ深掘りしてみました。
まきぽんはまだ修行中ですが、きっと彼女の灯す『希望の火』が、これからもたくさんの人を照らしていくはず。
そしてエリアス先生は……相変わらず説明が長いです(笑)。
次回の番外編では、また少し違った視点から、ティルナノの世界を覗いてみようと思います。
どうぞお楽しみに!




