辻サポ仮面
──街道から外れた林──
オーガの猛攻に苦戦する戦士。
その後方には、魔法使いがケガをして蹲っている。
奮戦むなしく、ついにオーガの棍棒に捉えられる戦士。
──ゴッ!
「ぐわっ!」
"ドサッ!"
(さすが、変異種……!
俺たちが 敵う相手じゃなかった!)
最早、これまで……と観念した時、
"カッ!"
あたり一面が、まばゆい光に照らされ、その場の誰もが動きを止める。
間を置かず、戦士と魔法使いは優しい光に包まれ、傷が癒され、さらには七色の光に覆われる。
(なに!? 力がみなぎる?!)
(七色──ってことは、上級バフのナナステ!?)
状況は不明だが、バフが切れる前に決着をつけなければ ならない。
「仕切り直しだ!」
「ええ!」
・
・
・
「ハァ、ハァ……。」
「や……やったわね……。」
なんとか変異オーガを倒した二人だったが、息は荒い。
ふと、どこからか視線を感じて顔を上げると、崖の上から誰かが見下ろしている。
人型で中肉中背、顔に仮面、ローブで身をつつんだ何者かは、身を翻すと何も言わずに姿を消した──。
用語 解説
『ナナステ』
七つのステータスが上昇することから つけられた あだ名。