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アンジュ、行ってくるね
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(ここが…天界)
辺り一面真っ白で、下も雲でできているようだ。
ぽつぽつと天使が立っていて、ミュエラを見て挨拶を交わしている。
「あ、出来損ない」
俺の隣にいるアンジュを見た天使たちは、全員ポツリとそう言っていく。
俺は怒りのあまり、殴り掛かりそうになったが、アンジュに止められた。
ちなみに、俺のことを見た天使たちの反応は、無だった。一瞬驚いた顔をして、でもすぐに興味をなくしていく。
ミュエラの後をついていき、ある扉の前で立ち止まった。
ここに近づくにつれ、天使の数も減っていき、ここらにはもう誰もいない。
扉はとても大きく、禍々しい。俺の緊張を促進させる雰囲気がある。
「さ、ここだよ」
ミュエラが扉の前で振り返り、そう言った。
俺は覚悟を決める。そして、一歩を踏み出した。
「ルイ……」
その手を、アンジュが引き止めた。振り返ると、俺を見上げて泣きそうな顔をしていた。
「アンジュ、行ってくるね」
「……………うん」
俺が笑うと、アンジュはそれ以上引き止める言葉が見つからなかったらしく、静かに引き止めた手を離した。
大きな扉に手をかけ、全体重を押して開けた。ゆっくりと開く扉の隙間から、神々しい光が漏れ出していた。




