表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/47

帰ってくるよ!

23


 ルイが、出て行ってしまった。

 すぐに追いかけたかったのに、その場に座り込んだまましばらく動けなかった。


 呆れられた? ルイの役に立ちたかったけれど、僕は間違えたのだろうか。

 いや、間違えたんだ。だって、ルイはあんなに苦しそうな顔で僕を見ていた。



「また…捨てられて……」


(また…?)



 自分の言葉に違和感を持つ。

 誰かに捨てられたことなんてないのに、どうしてそう思ったんだろうか。でも、確かに誰かに置いていかれるような感覚が、僕の中に残っていた。これは…何だろう。


 僕が、いい子にしていなかったから。だから、ルイは出て行った?


 もう……帰ってこなかったら? …あの日の、ように……




「はっ……はっはぁ」



 呼吸が乱れていく。上手く息ができない。自分の手で、胸辺りの服を必死に掴む。



「アンジュさん!」



 リビングの入口から、ルカとルナが飛び込んできた。

 二人の手が、僕の背中を優しくさする。血が繋がっていなくても、ルカとルナはルイの妹だと、二人の手の温もりを感じながら改めて思った。

 目からポロポロと熱いものが流れていく。涙だ。



「アンジュさん……」



 ルカの心配そうな声が聞こえる。



「ルイ…っが、帰ってっ…こなかったら…どうしよう、ぼ…僕のせいだ……」



 震える声でそう言った。もしルイが帰ってこなかったら、僕はどう詫びればいいんだ。


 どう…生きていけばいいんだ。




「お兄は帰ってくるよ! 絶対!!」



 でも、すぐにルカがそれを否定した。



「うん、帰ってくる」



 二人ともが力強く言うから、僕の呼吸は次第に落ち着いていった。

 それでも不安は消えない。僕の頭の片隅に、ずっといる。


 僕は無言で立ち上がると、玄関に向かった。

 ここにいれば、ルイが帰ってきた時すぐに分かる。


 僕は玄関を上がってすぐの壁に体育座りでもたれかかり、自分の足を胴体に引き寄せた。自分で自分を抱きしめるみたいに。



「アンジュさん……」










 謝れば………まだ、間に合うよね?


 ……ルイ、会いたい。ごめんなさい、ちゃんということ聞くから…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ