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お兄はお兄だよ

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「ルカ、ルナ、入ってもいいかな」



 部屋の扉をノックして、声をかける。

 返事はなかったが、約一分後に静かに扉が開いた。泣き腫らした目のルカが立っていて、部屋の中にはルナもいる。



「………」



 部屋の中に入れさせてもらい、床に座る。



「ごめんね、心配かけさせて」



 そう切り出すと、再びルカの目に涙がたまっていくのが見えた。



「!?」



 隣のルナも目が潤んでいる。



「お兄のバカっ!」



 そう叫ぶなり、俺に飛び込んでくる。心から俺を心配してくれているのが伝わってきて、俺も目の奥が熱くなる。俺は本当に恵まれている。



「ごめん、ありがとう」



 ルカとルナに、本当のことを話すべきだろうか。話すとしても、どこまで話すべきなのか分からない。

 この事実を伝えたところで、誰も幸せにはならない。でも、逆に話さないと決めたら、この先一生二人に嘘をつき続けることになる。

 どちらが正解かなんて分からない。けれど俺は、俺の気持ちは、これ以上二人に嘘をつきたくないというものだった。全部は話せなくてもせめて…



「ごめん、ルカ、ルナ。俺…俺、二人の本当の兄じゃない…」



 反応が怖くて、顔を上げられない。兄だと思っていた人が、他人だと知ったら、二人はどう思うだろう。



「……だから、何?」


「………」



 ルカが少し怒りを込めたように、震えた声でそう言った。



「お兄はお兄だよ………私とルナにとって。……本当とか嘘とか何?分かんないよ。だって、ずっと一緒に住んできたじゃん。なのになんでそんな他人みたいに言うの?」


「ルカ……」


「お兄ちゃんが本当は何者なのかとか、その目は何なのかとか、別に無理に話してほしいとか思わない。でも……私の中でのお兄ちゃんはずっと変わらない。あの日、私とルカを探し出してくれたのは、紛れもなく私たちのお兄ちゃんだよ。大好き、大好きだよ、お兄ちゃん」


「ルナ…」


「私も、お兄大好き!」


「っ………」



 目から涙が溢れて止まらなかった。



「俺も、二人が大好きだよ」



 涙でぐしゃぐしゃになりながら、口角を上げた。






 やっぱり俺は、この家族が、この家が大好きだ。ずっとここにいたい…。

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