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なんとなくDESUノートの秘密に一歩…半歩くらいかな?近づいだけど、今のところはっきりした事はやっぱりわからない。
とりあえずそっちは置いておいて、私はリリー様をお母さんに紹介することにした。
半分くらいの人がリリー様と話せるって言ってたし、なんかお母さんも大丈夫な気がするんだよね。
デリー様のバスケットからお母さんの朝ごはんを取り出してトレーに乗せて、リリー様を腕に引っ掛けて準備完了。
私は後で本邸から運ばれた残飯を食べればいっか。
なるべくお母さんに栄養のある物あげたいもんね。
「お母さん!朝ごはんだよ!」
部屋に入るとお母さんはベッドの上に起き上がって私に向かって微笑んだ。
「キャシー、いつもありがとう。」
「どういたしまして。調子はどう?」
「ここ一年で一番気分がいいわ。今朝少し歩いてみたのだけれど目眩もしなかったもの。」
「ほんと?よかった!」
確かにお母さんの顔色は最近見た中では一番いい気がする。
お母さんの笑顔を見ると私も嬉しくなっちゃう。
はやくはやく元気になって欲しい。
私はベッド傍の机の上にトレーを置いて、腕にぶら下がってるリリー様をお母さんの前に差し出した。
「お母さん、これ守り神のリリー様だよ。昨日お知り合いになったの。」
「守り神様…?」
お母さんが目を丸くして首を傾げると、リリー様は葉っぱをピンと伸ばして少しのけ反った。
「私がリリーよ!貴女がキャサリンの母親ね!」
「まあ!可愛いタンポポちゃんね!それにお話ができるなんてすごいわ!」
よしよし、やっぱりお母さんもリリー様とお話できた!
私は嬉しくなって、そして調子に乗った。
「お母さん、タンポポちゃんじゃなくてリリー様だよ。そして元々はひまわりちゃんだよ。」
「ひまわり…?」
私はお母さんに朝ご飯を勧めながら昨日の出来事をかくかくしかじか説明した。
「そうなの。それはびっくりねぇ。でもそんなことよりキャシーが夜中に1人出歩いていたことの方がお母さん気になるわ。」
「あ…。」
やべ。内緒にしてたんだったのについ話しちゃった。
こういう迂闊な所8歳に引っ張られてる感じするわー。
お母さんの目が三角になってるよ。
「いつから出歩くようになったのかしら?」
「………おととい…。」
「キャシーが急に豪華なご飯を持ってきてくれた日ね。」
「はい…。」
ちょっと元気になったお母さんはなかなかの勢いで私を問い詰めてきて、結局デリー様の事も白状させられた。
もちろん合間合間にしっかり説教されながら。
私が小さくなって叱られているとリリー様は隣で心配そうな顔をしながら葉っぱを揺らしている。
自己紹介の時の偉そうな態度はどっかに行っちゃったようだ。
お母さんはふーっと息を吐いて、私の頭に優しく手をのせた。
「キャシーはお母さんのために頑張ってくれたのよね?
ありがとう。
でも夜中に外に行くのはもう禁止。
世の中には危険なことがたくさんあるのよ。
キャシーに何かあったら、お母さん辛くて泣いてしまうわ。」
「うん。ごめんなさい。
でも…でもこのままじゃいけないと思うの。
だから、お母さんに心配はかけないように私はまた外に行くと思う。」
「キャシーにそこまでさせたのはお母さんの責任ね。ごめんなさいね。
お母さんも色々考えてみるから、せめて1人で黙って出かける前に相談して欲しいの。」
「うん。わかった。お母さん、ごめんなさい。」
「リリー様は、昨日キャシーと一緒にいて下さったのよね?ありがとうございました。」
「い、いえ、そんなたいそうな物じゃ…」
「これからもキャシーと、仲良くしてやってください。」
お母さんがリリー様に頭を下げるとリリー様は照れて数時間ぶりにクネクネした。
叱られて悲しかったけど、お母さんからの愛情が嬉しかった。
そして怒る元気のあるお母さんが嬉しい。
ハハゲンキ。




