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RING 組織犯罪対策第三課特異事例対策室  作者: 文月 イツキ
一つ目 游星の白昼夢、流星の明晰夢
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5、寂寞の弾丸

実は清書済みの完パケデータが今手元にないので、

やや推敲不足です。気が向いたら、直すところは直します。

「おい、アリス!」


 どこかの路地裏、深海はアリスの胸倉を掴み上げていた。

 大人と子供の体格差だ。アリスの足は地面についていない。


「さっきから謝ってんじゃん」


 アリスは抵抗する素振りもなく、いかにもうんざりと言った様子で深海が気の済むように任せている。


「ごめんで済む問題かよ。いつも通り、慎重に殺せって言ったよな!」


 通りでは赤い光が明滅を繰り返すように差し込んでくる。けたたましいサイレンと共に。


「遺体が発見されたら警察が動く。単純な話だろ! 俺達に一つも利益がない!」

「そうかもね」

「だったら!」

「お前達には、ない。僕にはあるんだよ……初めからお前たちに協力する理由は話していたつもりだけど?」


 目的のために互いが利用し合う。ある種の契約のようなもの。


「……ッ!」


 深海はアリスの本懐を知っている。


「だったら……だったら相談の一つでもしろよ! ……そのリスクを背負うのはお前だけじゃねぇんだぞ。俺達の組織はお前の目的に協力は惜しまない。……そういう契約だろ」

「悪いけど!」


 初めてアリスが抵抗の意思を見せる。

 驚いた深海はその手を離してしまう。宙に投げ出されアリスはアスファルトに強かと腰を打つ。

 傷つけるつもりはなかった深海はアリスを助け起こそうとするが、アリスはその手を払いのける。


「悪いけど……僕はお前らをそこまで信頼してない。覚えておいて」


 立ち上がり、赤い光とサイレンに背を向け歩き出す。


「安心してよ。目的を果たすついでに、尻ぬぐいくらいはやってやるからさ」


 その表情は、一際眩しく感じた真っ赤なランプの逆光で、一層際立った路地裏の暗闇に埋もれていくのだった。

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