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ちゃいろのぬいぐるみ

「じいじ、ばあば、ありがとう。」

きょうはたっくんのたんじょうび。

たっくんはちゃいろのクマのぬいぐるみをもらって

よろこんでいました。


そんなたっくんをうれしそうに

みつめながらじいじがききました。

「なまえはなににする?」


たっくんはチャチャのふわふわがきもちよくて

かおをすりすりくっつけながらいいました。

「チャチャ」

「ちゃいろいからチャチャにする。」


ばあばもうれしそうにたっくんを

みつめながらいいました。

「きょうからチャチャはたっくんのおともだちね。

なかよくしてね。」


するとたっくんはじいじとばあばをみていいました。

「じいじとばあばもチャチャのおともだちにしてあげる。」


じいじとばあばはおどろいたかおをしたあと

うれしそうにみつめあっていました。


そのようすをみていたママはどこかさみしそうに

わらっていました。


たっくんのたんじょうびパーティがおわると

じいじとばあばはかえっていきました。


たっくんはじいじとばあばがかえると

いつもおなじことをききます。

「ママ。じいじとばあばつぎいつあえる?」


ママはたっくんをぎゅっとだきしめていいます。

「またすぐあえるよ。

すぐあいにいこう。」


パパがしんぱいそうにママをみつめていいます。

「だいじょぶ。

たくさんあいにいこう。」



たっくんはチャチャをだきしめて

いっしょにねることにしました。

「おやすみチャチャ。」

「おやすみたっくん。」



ゆめのそとからママの声がしました。

「たっくん起きて。じいじにあいにいくよ。」

ママのこえがふるえていました。


たっくんはねむいめをこすりながら

めをすこしあけると

そとがすこしあかるくなっていました。

「まだねむい。」

たっくんはねむくておきあがれません。


パパがおきれないたっくんをだっこしました。

するとたっくんはめをつむったままいいました。

「チャチャ」

パパはチャチャもいっしょにだっこしてくれました。


そのままくるまにのって

しばらくするとたっくんはめがさめてきました。

「チャチャおはよう。」

「たっくんおはよう。」


チャチャをだきしめていいました。

「ママどこにいくの?」


ママはたっくんをだきしめていいました。

「じいじのとこだよ。」


たっくんはママをみていいました。

「ママ。なんでないてるの?」


ママはたっくんをぎゅっとだきしめていいました。

「じいじがね、もうあえないところに

いかないといけないから

みんなにさいごにあいたいんだって。」


たっくんはママのうでからでようとしていいました。

「なんで?もうあえないの?いやだよ。ねえなんで?」


ママはなみだをふいていいました。

「じいじはね。もうおきてるのがつらいんだって。

だからね。らくになるようにねむらせてあげよう。」


たっくんはチャチャをぎゅっとしたまま

ママにかおをうずめてなきました。

「じいじにあえないのやだよ。

ママ。いやだよ。」


ママはたっくんをぎゅっとだきしめました。


びょういんにつくと

じいじがベッドでねむっていました。


たっくんはチャチャを抱っこして

ママの手をにぎりしめて

じいじのそばへいきました。

「じいじ。おきて。ねぇじいじ。」


めをまっかにしたばあばが

やさしいこえでじいじにいいました。

「たっくんがきたよ。」


するとじいじがうっすらめをあけて

ほほえみました。


そこにいたみんながじいじをひっしによびました。


たっくんもチャチャといっしょに。

「じいじ。じいじ。じいじ。」


じいじはまたしずかにめをとじました。


ばあばがいいました。

「みんなにあえるまでまってたんだね。」


たっくんはチャチャをぎゅっとしました。



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