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第1話 兎と出会った日

 自宅からカードショップへ向っていた筈なのに気付くと木々が生い茂る獣道に倒れていた。

 真夜中に一人ぼっちで置き去りにされた少年は不安顔で周囲を見回す。

 そんな彼を覗き見る赤い瞳。

 音を立てて、茂みから姿を現わしたのは兎だった。

 その純白の体躯は灯りの無い夜でも分かる程に輝いているようだった。



「人間の子供、名は何と言う?」

「――です」

「ふぅむ。良い響きの名だ。今宵は月の無い闇の夜。この日、この地で出会ったのも何かの縁か」



 人の言葉を話す純白の兎は鼻をヒクヒクさせながら少年の足元にすり寄った。



「……決めた。私はお前を"シン"と呼ぼう。お前が帰り道を見つけるまで私達は友達だ。私の名はウェルヴェリアスと言う。今からそう呼べ」

「うぇるう゛ぇりあす? 呼びにくいな。ウェルヴィーで良い?」



 まん丸の目をぱちくりさせた兎は跳躍し、少年の胸に飛び込む。彼はその重さを支えられず倒れ込んでしまった。



「良いとも! 今日からお前は"シン"で、私は"ウェルヴィー"だ。よく覚えておけ、お前が名付けた、お前を離さない兎の名だ」

「分かった。俺が迷子にならないように離さないで」



 満足そうに笑った兎が立ち上がると純白の身体が伸び上がり、人の形を形成していく。

 そこには兎の耳と山羊の角と漆黒の翼を持つ妖艶な女性が立っていた。

 異界の兎に懐かれた少年は三ヶ月の時を共に過ごす事となり、その地を創造したゲーム好きの神と出会った。



「人間の子供、ワタシとゲームをしよう! ワタシに勝てたら願いを叶えてあげる。でも負けたら君の世界を貰う」



 同じくゲーム好きの少年は安請け合いしてしまい、異世界の神はニッコリと笑った。



 異世界での記憶を全て無くしたまま現実世界へ帰還し、高校生となったシンの戦いが始まる。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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