表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/636

第2話 ふたつの世界。作って設置して作って渡して。

「とりあえず……こんな感じか」

 ラディウスは作ったばかりのトラップ用ガジェットを、破壊した扉の通路側にセットしながら、そんな風に呟く。


 そして、ついでに通路の先へと視線を向けてみるが、目視出来る距離にドールガジェットの姿はなかった。マリスディテクターの反応でも、まだそれなりに距離がある。

 

「そのガジェットは何なのです?」

「これか? これは接触した対象に強力な電撃を食らわせるトラップだな。発動後はそのまま電磁シールドを形成するから突破されにくくなるんだ」

 ラディウスは、疑問を投げかけてきたメルメメルアにそう説明しながら、手に持ったガジェットを天井めがけて放り投げる。

 そして、天井に到達すると、そのままガジェットはその場――天井に張り付いた。

 

「んで、電磁シールドを破壊するまでの間に、あの天井に設置したガジェットで頭上から魔法攻撃を仕掛けて少しでもダメージを与える、ってわけだ。それと、ついでに床にも触れると魔法が発動する地雷型のガジェットも設置しておくつもりだ。まあ、こっちに関しては、ドールガジェットは感知魔法を持っているはずだし、引っかかるかどうかは微妙だが……」

 と、メルメメルアに告げるラディウス。

 

「な、なるほどなのです。なんとなく理解したのです……っ」

 そう答えつつ、メルメメルアは次々とトラップを仕掛けていくラディウスを見て思う。

 

 ――どれもこれでも、パッと見で強力な攻撃魔法が組み込まれているのが、わかるのです……。それを……どうしてこうも次々と出せるです!? 

 やはり、この人は規格外すぎるのです……。なんというか……妖姫様がこの人を頼ったのがよく分かるのです……

 

 そうこうしている間にも、ラディウスによって配置されたガジェットにより、扉付近はトラップの山――まるで要塞の如き姿へと変貌していた。

 ちなみに、ラディウスは既に数回ほど、伯爵邸とこの遺跡とを往復しているのだが、メルメメルアは当然そんな事を知る由もないので、次々と……まるで無限に湧き出て来るかのようなガジェットの数々に、最早理解が追いつかない。

 

 そんなこんなで、メルメメルアが半ば思考停止状態で呆けていると、

「よし、こんなところか。あとは扉を戻して……」

 と、呟きながらレストアの魔法を使い、壊した扉を元通りにし始めるラディウス。

 

 瞬く間に修復されていく扉の様子を目の当たりにし、ハッと我に返るメルメメルア。

 そして、すぐさま驚きの声を上げた。

「ほええっ!? それを壊す前に戻せるとか、何がどうなっているのですっ!?」

 

「これか? これは、改造したレストアの魔法を使っているだけだぞ?」

 冷静にそう答えるラディウス。


「レストア!? レストアはここまで強力じゃないのです! 一体どんな改造の仕方をしたら、こうなるです!?」

「どんな改造の仕方をしたらと言われてもなぁ……。ああ、そうだ」


 メルメメルアの言葉にどう答えたものかと思った所で、ふと良い考えが浮かんできたラディウスは、即座に伯爵邸へと戻った。

 そして、改造したレストアの術式を組み込んだガジェットを作り、再び遺跡へと戻る。

 

「これにもその改造したレストアの術式が組み込まれている。――てなわけで、こっちはメルにやるよ。これを使って好きに解析してくれて構わないぞ」

 と言って、それを手渡した。

 

「え? あ? は、はい、ありがとうなのです」

 メルメメルアは困惑気味にガジェットを受け取ると、お礼の言葉を口にする。


 ――こ、これは……解析する前からとんでもない術式なのが、なんとなくわかるのです……っ!

 す、凄く末恐ろしい物を受け取ってしまった気分なのです……っ! あわわわわっ!

 

 なんて事を心の中では思いながら……

簡単に2つの世界を行き来出来るのが、何気に強力すぎるんですよねぇ……(何)


それはともかく……次回の更新は月曜日を予定しています。

……が、下手をすると更新のタイミングは普段より遅めになるかもしれません…… orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ