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第1話 時を渡り辿り着く。グランベイルの町。

ここから1章なので、サブタイトルも少し変わります。

 カラミティエイビスを無事撃破した後は、特にこれと言った問題もなく、グランベイルの町へと辿り着くラディウスたち。

 

「ここがグランベイルか……」

 馬車から降りたラディウスが、そう呟きながらグランベイルの町並みを見回す。

 

 ――建造物の様式は、王都よりも大分古い感じだな。俺がこの世界へ転生する前の世界……地球で言うなら、いわゆる中世ヨーロッパの町並みそのものって感じだな。

 まあもっとも、中世ヨーロッパと違って、街灯や下水溝がしっかりあるので、中世よりは夜も明るいだろうし、衛生面もかなり良好といえる感じではあるけど。

 

 そんな感想を抱いていると、ラディウスの耳に、

「カラミティエイビスは、町に駐屯している兵士の人たちが回収すると言っていたのだわ」

 という声が聞こえてくる。

 

 ラディウスが声のした方へと顔を向けると、町の門の所で兵士と話をしていたクラリスとマクベインが、ラディウスの方へと歩み寄ってくる所だった。


「とりあえず、討伐報酬は後ほど聖堂の方に届けていただくように話をしてあります。ラディウス殿にはお手数をお掛けする事になり恐縮なのですが、明日以降ならいつでも構いませんので、聖堂の方へ赴いていただき、聖堂の誰かにその旨を問い合わせていただけますでしょうか」

 と、そんな風にラディウスに告げるマクベイン。

 

「あ、はい、わかりました。都合の良いタイミングで聖堂の方へ行ってみます」

 ラディウスがそうマクベインに返した所で、クレリテが質問を投げかけた。

「ところで、ラディは何をしにグランベイルに来たのだわ?」

 

 それに対してラディウスは、しばし考えを巡らせた後、

「……実は特に理由はないんだが、なんとなくこの町でガジェットショップ――魔工屋でもやろうと思い立ったんだ」

 と、応える。

 

「なるほど……なのだわ。たしかにラディの持つガジェット関連の知識や技術は凄いのだわ。修理や改良だけじゃなくて、ゼロから新しいガジェットを作る事すら出来そうな気がする程なのだわ」

 そう言って、ウンウンと首を縦に振るクレリテ。

 

 そのクレリテの言葉を聞いてラディウスは、作れるような気がするというか、作れるし、実際に馬車の中でも作っていたんだが……と思ったが、その時クレリテは、「うへへ、いただきなのだわー」とか「余裕なのだわー、みゅふふふふー」などという意味不明な寝言を口走りながら、ニヤニヤとした顔で寝ていたのを思い出し、何も言わない事にした。

 黙っておく方が、クレリテにとってもいいだろうと思ったからだ。

 

「そうですね。次に会う時にはこの町の名物になっているかもしれませんね」

 マクベインが御者台に座ったまま、クレリテに同意するようにそう言って頷く。

 

「でも、特に理由がないのなら、このままクレリテたちに同行するのもありだと思うのだわ! なにしろ、ラディはめちゃくちゃ強いから、クレリテたちも色々と助かるのだわっ! それに、ラディのお菓子が毎日食べられるのだわっ! 最高なのだわ! 是非そうするのだわっ! だわっ! だわーっ!」

 クレリテが捲し立てるようにそんな事を口走りながら、ラディウスにずずいーっと詰め寄る。

 ずずいっとではない。ずずいーっとである。

 

「お、お? お、おお……」

「おお、なのだわ!? 了承!? それは了承という事なの――はうっ!?」

 

 ラディウスはクレリテの勢いに引きつつ、どうしたものかと思っていると、唐突にドスッという鈍い衝撃音が響き、クレリテが地面にドサリと倒れ伏した。

ずずいーっと、次の話へ!(何)

※今日中にもう1話アップします。

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