第4話 異なる歴史の世界。ホテル・イクリプスホロウ
予約投稿の日時が明日になっていました…… orz
物凄い遅くなりましたが投稿しました。
「お名前は……ラディウスさん……というですか」
メルメメルアが登録用紙に目を落とし、名前を確認すると、
「……この貨幣は特殊品と呼ばれる類の物なのです。そしてこれは、ギルドでは買い取れない代物なのです。――なので……明日の朝、買い取れる者を連れてくるのです。申し訳ないですが、こちらの宿にこれを見せて、明日までお待ち下さいなのです」
なんて事を言いながら、丸印の付いたタウンマップと『ホテル・イクリプスホロウ宛 特殊品鑑定士メルメメルア:支払い代行』と刻まれたカードを手渡される。
ラディウスは手渡してきた物の意味とメルメメルアの意図が良くわからなかったが、とりあえずそれを受け取り、
「この宿に泊まればいいという事ですか?」
と問いかけ、そして思う。
――イクリプス……ECLIPSE……か。エクリプスとも読む事が出来るな。
なんというか、そのネーミングが凄い気になるが……まあ、偶然だろう。
「はいです。宿代に関してはそれを渡せば問題ないのです」
メルメメルアがそう答える。
すると、それに続くようにして、横から受付嬢が、
「私もなんだか良くわからないのですけどー、『特殊品』と呼ばれる物はー、メルメルメルちゃんの言う通りギルドでは買い取れないのでー、その宿で待っていてくださいねー。ちなみにその宿は、特殊品鑑定士協会という所と提携している宿でー、この街の中ではかなり高級な宿ですよー」
と、ラディウスに告げた。
「だから……名前はメルメメルアなのです……」
脱力しながら、そう呟くように言うメルメメルア。
「なるほど……。それは期待出来そうですね。とりあえず行ってみます。ありがとうございます、メルメメルアさん」
名前を正しく呼ばれて上機嫌そうなメルメメルアを見つつ、ギルドを後にするラディウス。
そして、タウンマップを確認しながら指定された宿の方へと歩き、その場所に辿り着いたのだが……
「はて? 本当に、ここでいいのだろうか?」
ラディウスは、ついそんな事を呟いてしまった。
なぜなら、そこには『ガルグラン中央駅/ガルグラン中央地下街』と刻まれたプレートが取り付けられている屋根付きの地下への階段があるだけだったからだ。
――目的地であるホテルは、この地下街にあるという事なのか?
もしそうだとしたら、地下街のどこに、そのホテルがあるのかという話になるが……
まあ、とりあえず地下街へ行ってみるしかないか。
なんて事を思いつつ階段を降りていくと、その心配が杞憂である事をすぐに理解した。
なぜなら、階段を降りきったすぐ目の前に『ホテル・イクリプスホロウ エントランス』と書かれた看板と、豪奢な細工で縁取られた大きなドア並んでいたからだ。
そのドアの1つを開き、ホテルのロビーへと足を踏み入れるラディウス。
――なるほど……。あの受付嬢が言っていた通り、これはたしかに超高級ホテルって感じだな……
ラディウスがそんな風に思うのも当然と言えば当然で、ホテルのロビーはそのど真ん中には巨大な噴水があり、天井にはいくつものシャンデリアが、そして壁面には複数のパネルで構成されたウォールアートが並んでいる、そんな場所だったのだ。
――地球でもこんなホテル数回しか泊まった事ないな……
って、眺めていても仕方がないし、フロントに行くとするか。たしか、これを見せればいいんだったよな……
ラディウスは心の中でそんな事を呟きつつ、ストレージにしまっておいたメルメメルアから渡されたカードを取り出し、フロントへと向かうのだった。
設定ミスで思いっきり遅くなってしまいました……




