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第9話 湖底探索。レゾナンス・スタビライザー。

「レゾナンス・スタビライザー?」

「その名前からすると、エル・ガディアの長距離通信網関連の技術か?」

 アメリアと俺の問いかけがほぼ同時に発せられる。

 そして、その俺の問いかけに、

「そう言えば、レゾナンスタワーはエル・ガディアのものなのです」

 と、続くメルメメルア。

 

「はい。レゾナンス・スタビライザーというのは、文字通りと言いますか……レゾナンスタワーから放たれた通信波を増幅する機能を持つ『中継機』ですね。ただ……」

「ただ?」

 ミリアの歯切れの悪い返答に首を傾げるセシリア。

 

「通信波は水中には届きません。こんな所に埋まっているはずがありません」

 ミリアにそう言われたセシリアは、

「あー、なるほどね。というか、この辺りって、古の時代から湖だったんだっけ?」

 と、納得しつつ再度問う。

 

「そうですね……。この湖自体は、かつてよりも広くなっていますが……この辺りは湖だった気がします」

「という事は……似ているだけの別物、あるいは何らか改造を行った物……という事になりますわね」

 ミリアの返答に、セシリアに代わるようにしてそう口にするイザベラ。

 

「まあ、もう少し掘ってみた方がいいな」

「たしかにそうですね! 考えるよりも行動です!」

 ラディウスの言葉に頷き、ミリアがさらに掘り始める。

 

 徐々に形状が明らかになっていき――

「……これ、やっぱりレゾナンス・スタビライザーですね……」

 と、ミリア。

 それに対し、イザベラが顎に手を当てながら言う。

「だとしたら、先程言ったとおり、改造して別の用途で使われたと考えるのが妥当ですわね」

 

「通信波を増幅するという事は、情報の送受信に使う波動を増幅しているという事だ。そしてデュオロードが、これを利用した広域マインドコントロールが行われていた可能性もあると言っていた。つまり……」

「――改造するなり設定を変えるなりすれば、別の波動も増幅可能……という事ね」

 ラディウスの言葉を引き継ぐようにそう口にするルーナ。

 

「で、それがウンゲウェダ・ドラウグに出現に関係してるっつーわけか」

「ま、そういう事だな」

 アルヴィンスに対してそう返しながら、レゾナンス・スタビライザーを解析。

 

 ――案の定と言うべきか、例の並行世界間を移動可能にする――ついでに言えば、条件付きで過去へ戻る事も出来る――ガジェットと同じような術式構造がされている部分があった。

 他にも通信には関係なさそうな部分があるので、おそらくこれらが並行世界間を繋ぐためのものなのだろう。

 

 そんな風に考えながら、さらに解析を進めつつ、

「たしかにミリアの話――情報の送受信とは関係なさそうな術式構造があるな」

 と、そう口にするラディウス。

 そのラディウスの言葉に続くようにして、

「そうですわね。ストレージを改造したかのような所もありますし? 転移術式のような仕組みが使われていたりするのかもしれませんわね」

「ええ、波動の発生プロセスも違うわね。これ受信専用って感じだわ。しかも変換して受け取っているような……?」

 なんて事を、同意しつつ言うイザベラとルーナ。

 

「先生も含めて、みなさん解析が早いですね……。私も解析していますが、全然そんなところには辿り着けていません」

「まあ、それは私もなのです。作る方はどうにかなってきたですが、解析となると、やはりラディウスさんたちには、まだまだ追いつけないのです」

「作る方が先生たちに追いついてきている時点で大分凄いんですが……」

 ミリアとメルメメルアがそんな話をしている後方で、

「解析どころか作る事もままならないけどね……」

「うん、そうだね。私が作ろうとすると爆発するし……」

 なんて事をアメリアとセシリアが呟く。

 

「さすがに作るのは俺も無理だが、解析ならちょっとだけ出来るようになってきたな」

「うわ、ずるい、抜け駆け」

 しれっと告げてきたアルヴィンスに、アメリアはジト目で見ながらそう返す。

 それに対してアルヴィンスは肩をすくめる。

「抜け駆けって言われてもな」

 

「それで……結局の所、これって『壊せばOK』な感じ?」

「間違ってはいないな。書き換えるよりはその方が早い」

「そうですわね。手っ取り早くやるなら壊せばいいですわね」

「そうね。セシリアらしいわね」

 セシリアに対し、ラディウス、イザベラ、ルーナの3人が、ほぼ同時かつ即座にそう反応する。ちょっと生暖かい目で。

 

「うぐっ、なんだか残念なものを見る目で見られている気しかしない……っ」

「実際、残念だから仕方がないのです」

 メルメメルアがセシリアにそう答えると、

「……最近、メルの当たり、強くない? 気のせい?」

 と、そう言いながらメルメメルアを見るセシリア。

「気のせいなのです」


「え、ええっと……」

 メルメメルアとセシリアのやり取りに、ミリアは頬を人差し指で掻きながら思う。

 

 ――な、なんだか良く分からないけれど、嫉妬というか対抗意識というか、なんだかそんな複雑な感情を感じるような気が……

 

 と。

 

絶不調に陥ったり、急な用事があったり、その他諸々あったりで、大幅に間が空いてしまいましてすいません……

どうにか復活しました……!


と言った所で、また次回!

次の更新は予定通りとなります、5月4日(日)の想定です!


※追記1

誤字脱字を修正。


※追記2

色々な対応の都合で、他のものも更新が遅れいている為、次の更新予定を5月5日(月)~5月6日(火)に変更いたします。申し訳ありません……

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