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第15話 古の災厄。パーソナライズ。

「ベースは普通の銃剣だ。パーソナライズした者に合わせて、自動的にカスタマイズが行われている。箱の所にカスタマイズタイプが表示されているだろう?」

 デュオロードがそんな風に告げた。

 

 ラディウスが箱を見ると、『PW・TYPEΩ ラピッドスナイパー』と表示されていた。

「なるほど……。たしかに長距離から連続狙撃するのが俺には合ってる気がするな」

 

「続いて私がやりますわ」

 と言いながらイザベラがパーソナライズを実行。

 箱から出てきたのは、アサルトライフルの銃口の上に杭のようなものが付いていた。

 更に銃身には鎖のようなものが巻き付いており、その鎖の先端には多数のブレードが取り付けられた円盤があった。

 

「……ヨーヨー?」

 セシリアがそんな風に呟くと、

「タイプ名は……『ラウンドスラスター』? よくわかりませんけれど、たしかにヨーヨーみたいですわね。この杭のようなものは槍ですの……?」

 と、同意しつつそう口にするイザベラ。

 

「パイルバンカーじゃないか?」

「そう言えば、そういう代物がありましたわね」

 ラディウスの推測に納得の表情でそんな風に返しつつ、

「見てくれはともかく、私のバトルスタイルに合っているのはたしかですわね」

 なんていう言葉と続けた。

 

 そしてそんなイザベラに続いてリリティナがパーソナライズすると、トリガーのついた長い柄と、太めで長い刃をベースとし、その長い刃を挟み込むようにして、銃口がふたつあるという刺突と斬撃をメインとしたかのようなものが姿を現す。

 

「――『スラッシュランサー』ですか。剣にも槍にもなるといった感じですね。さらに長距離からの射撃も可能なことを考えると、なかなか強力です」

「まあ、たしかにリリティナ様に向いていますね」

 リリティナに対してヨナがそんな風に言いつつ、自身もパーソナライズを実行。

 

 すると、わずかに曲線はあるものの、最早二等辺三角形だとしかいいようがない形状の刃と、その側面に銃口があるそんな代物が出てきた。

 シンプルと言えばシンプルだが、なぜかふたつある。

 

「これは……『デュアルブラスター』というらしいですね」

「どうしてトリガーがふたつあるんですの?」

「なんでしょうね? こっちは明らかに射撃用ですが……この手前にあるのは……?」

 イザベラの疑問に対しそう返しつつトリガーを引くと、カシャンという音と共に、刃が扇状に開きふたつの刃となった。ある意味、鋏である。

 

「なるほど、こういう仕掛けですか……。これで何かを挟み込んで戻せば叩き折れますね。このまま斬りつけて傷をふたつ作る……要するにさらに深く抉るという使い方も出来ますが」

「色々と物騒な代物ですわねぇ……。まあヨナ向きですけれど」

 ヨナの発言にそんな風に言いながら肩をすくめるイザベラ。

 

「それじゃ次は私が」

 と言いながら、ルーナがパーソナライズすると、リリティナのものに似ているが、刃が半分になっており、その残り半分をダブルバレルタイプ――銃口が縦にふたつ並んでいる形状のグレネードランチャーのようなものが取り付けられているというものが出てきた。

 

「銃口が大きいですわね。放たれるものも結構強力そうですわ」

「ラディ並にゴツいなぁ。というか、そのバレルの横にある切り替えレバーみたいなのは?」

 イザベラに続いてそんな疑問をセシリアが口にする。

 それに対してルーナは、

「なにかしらね? 今はDGになっていて、FTというのがあるわね。タイプとしては『バーストコンカラー』というらしいけど……」

 と、言うと、

「それは、本来はフレイムスロワー……火炎放射器の事を意味するのだが、それが作られた頃には火炎以外――冷気や電撃といったものも放射出来るようになっていたな。もうひとつのDG……デュアルグレネードの意味だが、まあ……簡単に言えば、炸裂型と放射型の魔法を切り替えて使えるようなものだと思えばいいだろう」

 なんていう説明をデュオロードがしてきた。

 

「なるほど、思ったよりもとんでもない代物ね」

 と返した所で、

「では、私が最後にいくのです」

 と言って、パーソナライズを実行するメルメメルア。

 

「弓?」

「扇?」

「クロスボウにも見えますわね」

 姿を現したそれを見たセシリア、ルーナ、イザベラがそれぞれそんな風に呟く。

 

 たしかにそれは弓のようでも扇のようでもクロスボウのようでもあったが、弦のないクロスボウの弓部分にいくつもの小さな銃口が連結されている、そんな形状だった。

 ただし、中央の銃口はルーナのものと同じくらいの大きさであり、弓部分の左右の端は三日月型の刃がそれぞれ取り付けられていたりするが。

 

 それがヨナと同じようにふたつ、箱に入っていた。

 

「タイプ名は『ストームシューター』というようなのです」

「嵐のように乱れ撃ちするって事なのかしらね?」

「まあ、この形状だと勝手に乱れ撃ちになるだろうしな」

 メルメメルアに対して、ルーナとラディウスがそれぞれそう口にする。

 そしてラディウスがそのまま言葉を続ける。

「ともあれ、これでセシリア以外は全員完了だな」

 

「あとは、セシリアの聖剣を改造すればいいわね」

 ルーナはそんな風に言いながら、向こう側の世界を思い浮かべる。

 そして、世界を移動し終えた所で、即座に言葉を紡ぐ。

「――私たちの手に入れたペキュリアーウェポンは、ガーディマ製だったわね」

 

 それに対してラディウスが、

「そうだな。だがそうなると、プラグインガジェットだけがエル・ガディア製だったという事になるな。まあ…、デュオロードはペキュリアーウェポンも、エル・ガディア製を用意したかったみたいだし、当然と言えば当然なのかもしれないが……」

 と、そう頷きながら答えた。

調整に手間取って遅くなりました……

セシリア以外の面々の武器描写だけで、かなりの長さだったので削ったのですが、それでも1話分に……


とまあ、そんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなります、3月6日(木)の想定です!


次こそ、いつもの時間に更新出来るようにしたいと思っています……


※追記

脱字を修正しました。

最後のラディウスのセリフが、途中で妙な事になっていたので修正しました(寝ぼけていたようです)

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