第24話 遺跡攻略。ドールガジェットと殲滅魔法。
自動投稿の日時設定が間違っていました……
気づくのに遅れまして申し訳ありません。
「とりあえず、復活したりはしなさそうですね」
自壊したドールガジェットが復活しないか警戒しつつ、そんな風にヨナが言う。
「まあ、そうそう復活されても困るけどね」
肩をすくめながらそう口にしたルーナに続き、
「前回はこの後に増援が3体現れたですが……」
と言いながら、周囲を見回すメルメメルア。
しかし、魔法陣の類は出現せず、何かが迫ってくる足音なども聞こえてこなかった。
「これで終わりみたいだね?」
「判定の処理が追いつくようになった途端に、随分と簡単になった気がしますわね」
セシリアの言葉に対し、そんな事を言うイザベラ。
「まあ、これが本来の仕組みなんだろう。とりあえず先へ進むとしよう」
ラディウスがそう告げた所で、通路が階段へと変化した。
「おっと、今度は階段になったか」
「通路は消えてしまったので、この階段で先に行くしかありませんね」
「そうだな」
ラディウスとヨナがそう言いながら階段へと歩みを進める。
「この階段、かなり上まで続いているみたいですね」
ラディウスとヨナの後を追いつつ、そんな事を口にするリリティナ。
それに対してカチュアが、
「はいです。この遺跡の最深部って、もしかして一番上なのでしょうか? です」
という疑問の言葉を発する。
「この感じだとそんな気もするけど、一番上まで行ってから一番下まで行く……なんていう可能性もゼロじゃないからねぇ……」
「なるほどですです。それもたしかにありそうな気がしますです」
返事をしてきたセシリアと共に階段へと向かいながらそう返すカチュア。
そしてそれに、
「そうですわね。今まで誰も最深部へはたどり着いていない事を考えると、そういうややこしい構造になっていそうな感じはしますわね」
なんて同意しつつ、イザベラも後に続く。
そして、最後尾のルーナとメルメメルアは階段を見上げてから、
「リリティナが言っていた通り、本当に長そうだわ……。これ」
「はいです。階段の上が見えないのです」
「まあ、上っていくしかないんだけど……」
と言って、皆の後を追いかけた。
そしてそのまま全員で、延々と続く階段を上っていく事しばし――
「うわぁ……。さっきの奴がいるよ。しかも複数」
そうセシリアが告げた通り、ラディウスたちの行く手……階段の先に、先程ヨナが倒した巨人型ドールガジェットの姿が見えてきた。それも複数体だ。
「巨大なので、ここからでも待ち構えているのがわかりますね」
「そうだな。……見える範囲で3体か。メルの言っていた数と同じだな」
ラディウスがリリティナに対して頷きながらそんな風に言う。
「でも、3体なら楽勝ですわよね? ヨナが1体倒して、私が1体倒して、あと1体を残りの6人で倒すだけですもの」
「だったら、その最後の1体は私ひとりで倒すよ」
イザベラの発言に、セシリアがそう返事をして聖剣をグルンっと回してみせる。
……だが、上りきったラディウスたちの目に入ってきたのは、倍――9体の巨人型ドールガジェットだった。
少し離れた場所にさらに6体いたのだ。
「もっといましたです! というか、とてつもなく広い空間ですです!」
「あれだけ遠くにいたら、階段からは見えないよねぇ……。マリス・ディテクターとかでも探知出来ないし……」
驚きの声を上げるカチュアと、ため息をつきながら言葉を紡ぐセシリア。
そしてさらに、
「そうね。そして、あれを足すとメルの言っていた数の3倍いるわね」
「こちらの人数が以前私が訪れた時の倍だから……とかだったりするですかね?」
と、やれやれと言わんばかりの表情で言うルーナと、それに続いて推測を口にするメルメメルア。
「まあ、ないとは言い切れないな。もっとも……このくらいなら、まだ問題ないが」
「そうですわね。これなら許容範囲というものですわ。私とヨナで2体抑えておきますわ。カチュア以外の5人で残りを片付けてしまってくださいな」
ラディウスに対してそう答えながら構えるイザベラ。
「私が抑える方やってもいいけど……まあ、速攻で倒せば同じだね」
「はい。久し振りにちょっと本気を出します」
セシリアとリリティナがそれぞれそんな風に言いながら、剣を同時に構える。
もっともその剣の大きさは、セシリアとリリティナで全く異なっているが。
残りの3人――ラディウス、ルーナ、メルメメルアも、それぞれ得物を構える。
それを確認したイザベラは、
「それじゃ、早速仕掛けますわよ!」
と言い放ち、巨人型ドールガジェットの集団へ向かって走りだす。
するとその直後、その3人から一斉に凄まじい量の魔法弾とマジックボルトが放たれ、階段からも見える位置にいた3体が一瞬にして砕け散った。
そしてさらに、
「滄刃の閃光、彼方へと奔りて呼び覚ますは、無量なる神立の――」
「暗紅の煌めき、此方へと昏き光輝となりて聚斂し、巨いなる赫灼の――」
なんていう『詠唱』が聞こえ始める。
「ちょぉぉっ!?」
「あ、これ、辿り着く前に終わりそう」
驚くイザベラと、走りながら諦めの言葉を口にするセシリア。
そして、そのセシリアの発言通り――
「――降魔せよ! リバーバレイト・スカウリングロア!」
「――殄滅せよ! タイラニック・バーガンディグレア!」
ラディウスとルーナの魔法が発動。
膨大な量の雷光と熱線が荒れ狂い、残っていた6体をあっという間に消し飛ばした。
その光景を眺めながら、
「……まあそうですわよね……。この広さなら高威力かつ広範囲の殲滅魔法が使えますわよね……。私も最初から魔法を使えば良かった気がしますわ……」
などと言いながら、ため息をつくイザベラ。
「魔法に対する耐性がかなり強いみたいだったから、この程度じゃ倒れないだろうが、一応牽制くらいにはなるだろう……と、そう考えて撃ってみたんだが……あっさりと倒れたな」
「そうね。思ったよりも耐性がなくて、ちょっと想定外だったわ」
そんな事を口にしたラディウスとルーナに対し、
「それはまあ……その、さすがにあのような広域殲滅魔法を同時に放たれたら、いくら古の時代の産物であっても、耐えられるものはそうそうありませんし……」
と、リリティナが称賛と呆れの入り混じったなんとも言い難い表情と声で告げる。
「でも、こんな風に秒殺したら、次はかなり強くなるんじゃ……」
そうセシリアが呟くように言った直後、
「……いえ、どうやらまだ終わってはいないようです」
なんて事を上を見ながら言うヨナ。
そのヨナの視線の先には、魔法陣が3つ出現していた。
「3体追加で来るという事でしょうか? です」
「ま、そういう事だと思うよ。あ、1体は私がやるからラディとルーナ、あとメルもそのまま見ててね」
カチュアの疑問に対してセシリアがそんな風に返すと、
「そうですね。次は私もしっかり相手をしたいと思います」
「……というわけですので、ヨナも見るだけでお願いしますわ」
などと続くリリティナとイザベラ。
それに対してヨナは――
――あ、やっぱり不完全燃焼な感じなんですね。
まあもっとも、結局あっという間に倒す事には変わりないと思いますが。
と、そんな事を思うのだった。
間違って11月28日の投稿に設定されている事に気づいた為、手動で更新しました……。なんという凡ミス……
久し振りに呪文詠唱付き魔法です。もっとも、描写では呪文の途中が抜けていますが……
(間にイザベラとセシリアのセリフが挟まる為、全文は入れられませんでした……(全文入れてしまうと時間経過がおかしな事になるので……))
一応、呪文の全文は以下の通りです(ちなみに降魔は『こうま』ではなく『ごうま』の方です)
『滄刃の閃光、彼方へと奔りて呼び覚ますは、無量なる神立の残響。八色の轟雷よ、今ここに在りし邪なる者どもを降魔せよ! リバーバレイト・スカウリングロア!』
『暗紅の煌めき、此方へと昏き光輝となりて聚斂し、巨いなる赫灼の禍にして暴虐なる驟雨となりて、全てを穿ち殄滅せよ! タイラニック・バーガンディグレア!』
とまあ、そんな所でまた次回!
次の更新も予定通りとなります、11月28日(木)の想定です!




