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第9話 偽帝。ガーディマと未来世界。

18日に更新出来ずに申し訳ありません……

3日遅れでどうにか更新出来ました……

 「――ここまで話をして、ガーディマを復活させない手段というのが、ある程度わかっているのではないか?」

 デュオロードがそんな風に言いながらリリティナとラディウスを交互に見る。

 

 それに対し、

「マグナ・ヒストリアを使ってアルベリヒやベルドフレイムが復活させる事の出来ない場所へガーディマを引き寄せる……?」

 と、呟くようにラディウスがそう返す。

 

「え? どういう事?」

 まったく理解出来ずに首を傾げながら問うセシリアに、

「ガーディマ文明の遺跡が存在するのは、こちら側ではなくてあちら側だ。という事は……だ。こちら側とあちら側、その狭間にガーディマはあるという事なのだろう。そうでなければ、マグナ・ヒストリアを持たないアルベリヒとベルドフレイムにガーディマを復活させる事など、そもそも出来ないからな」

 と、そう説明するラディウス。

 

「……えっと? つまり、私たちの世界側へガーディマを復活させる?」

 かろうじて理解したセシリアがそう答える。

 

「……まあ、大雑把に言えばそういう事だな」

 ラディウスのその返事に愛し、今度はルーナが疑問を口にする。

「でも、それだけだとガーディマによって向こうの世界――私たちの世界が蹂躙されかねないわよね? なにしろ、こちらの世界よりも技術力は全体的に劣っているわけだし」


「たしかにそうだね……。そこはどうするつもりなの?」

「……ここからは推測でしかないが、ガーディマの主な魔法技術はガーディマ遺跡が宙に浮いている事からも分かる通り、『空間』へ作用するものだ。そして、エル・ガディアの主な魔法技術は、マグナ・ヒストリアの機能から分かるように、『時間』へ作用するものだ。このふたつの技術を組み合わせれば、時間と空間を超越した先――どちらの世界にも影響しない所へ、ガーディマを誘導して復活させられるんじゃないか?」

 セシリアの問いかけに対し、顎に手を当てながら、そんな推測を述べるラディウス。

 

「な、なるほどなのです。でも、それは一体どんな場所なのです……?」

「――それは、『全てが滅びた未来世界』だ」

 メルメメルアの問いかけに対し、デュオロードがそう答える。

 

「全てが滅びた未来世界……ですか?」

「歴史の分岐は幾度となく起こっている。だが、小さい分岐であればどこかで収斂し、最終的には同じ流れを辿っていく。……しかし、向こうの世界にはひとつ収斂する事のない程の大きな『変化』が生じているのだ。……ビブリオ・マギアスの掲げる『本来の歴史』という……な」

 首を傾げながら問うリゼリッタに対し、デュオロードがそんな風に説明する。

 

 ――まさか、俺が時間を遡ってくる前の世界……か?

 いや、だが、ビブリオ・マギアスはあの世界にも存在した……はず。

 

 ラディウスが、かつての『未来』を思い出しながら思考を巡らせていると、

「……こちらの世界にビブリオ・マギアスが存在せず、向こうの世界にのみ、ビブリオ・マギアスが存在するのは、こちらの歴史は『本来の歴史』から大きく外れていないから……と、そういう事ですの?」

 そんな問いの言葉をイザベラが投げかけた。

 それに対してデュオロードは、

「その通りだ。……いや、こちらの世界もつい最近大きく外れたがな。……他ならぬお前の手によって」

 と言ってイザベラへと視線を向ける。

 

「うぐっ。た、たしかにあれは大きく歴史を変えたと自分でも思っていますわ……。ですけれど――」

「でも、そうしなければレヴァルタは滅びていました。」

 イザベラの言葉を遮るようにして、今まで無言だったヨナがそう返す。

 そしてそのまま、

「正直、みなさんの話は半分も理解出来ていませんが、イザベラ様のした事はレヴァルタにとって正しかったのは間違いありません。それが正しくないというのなら……レヴァルタが滅びるのが歴史通りだというのなら……そんな歴史、私は拒絶します」

 と、言葉を続けた。

 

「……そうですわね。まさに私もそう言おうとしていましたわ。……よもや、いきなり横から掻っ攫われるとは思いもしませんでしたけれど」

 ちょっとおどけたような仕草でそう言ってヨナを見るイザベラ。

 

「あ、えっと、そ、そうだったんですね……。それはその、すいません……」

 慌てた表情で謝るヨナに対し、イザベラは首を振って「いいえ」と返すと、そのままデュオロードの方を見て、

「私以外にも同じ事を思っている人間がいると分かったから、自信を持って言い放てますわ。――誰が何と言おうが、今の歴史が私にとっては『正しい』と」

 と、言葉を続けた。

 

「ふっ、そうか。……まあ、そうでなくては困るのだがな」

「……? どういう……事ですの?」

 デュオロードの反応にイザベラは首を傾げるも、

「なに、こちら側にも大きな分岐がなければ困るというだけの事だ」

 などと言ってはぐらかすデュオロード。

 

 ――絶対に『だけ』ではないですわね……

 まあ、これ以上問いかけても無駄でしょうけれど……

 

 イザベラはそんな風に思いつつ、

「……まあいいですわ。それでしたら、『全てが滅びた未来世界』とやらに、ガーディマを意図的に復活させる為には具体的に何をどうすればいいのか、どうするつもりなのかを話していただけません? あれこれと話が飛んでいる感じがしてまだるっこしいんですのよ。時間稼ぎでもしているんですの?」

 と、呆れた声でため息混じりに返す。

 それに対してデュオロードは、

「ふむ……時間稼ぎと言えば時間稼ぎやもしれんな。なぜなら、私はとある物が『到着するのを待っている』からだ。詳しい話はそれがなければ出来ぬのでな」

 なんて事を肩をすくめながら告げるのだった――

どうにかこうにか10年ぶりの風邪から立ち直りました……

この話も幸いな事に既に7割近く出来ていたので、なんとか今日更新する事が出来ました……


とはいえ、申し訳ありませんがまだ絶不調でして、ここから1日1話書くのはなかなか厳しい状況の為、次の更新は来週の火曜日(8/27)とさせていただきます……

(もし、良い感じに快復して書くペースが少しでも上げられましたら、月曜日(8/26)とかに更新するかもしれません)

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