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第6話 ディーゲルとアルベリヒ。撹乱の流れ。

「――第1段階だけど、襲ってくるであろうアルベリヒの配下を撃退しつつサウスロードエンドへ行き、そこでルーナとディーゲルさんを入れ替える……って流れだね」

 セシリアが作戦の第1段階となる部分を説明する。

 それに対してメルメメルアは頷きつつ、

「はいです。こちらを追跡させる人間が必要になるので、撃退する際にうっかり殲滅してしまわないよう、注意しないと駄目なのです」

 と、返す。


「……大丈夫大丈夫、ちゃんと加減するから」

「……一瞬、間があったのが気になるですが、まあいいのです。――ディーゲルさんとルーナさんが入れ替わる場所なのですが、『この地点』が最良なので、一応ここを考えてはいるですが、状況によって変更する必要が出てくるかもしれないので、あくまでも仮なのです。無理にここに行く必要はないのです」

 と、返す。


「そうだな……。なるべくその指定地点で入れ替われるようにはしたいが、行くのが難しい状況になる可能性もゼロではないから、場合によっては他の場所に変える必要もあるかもしれないな。まあもっとも……それはそうなった時に、こっちへまた戻ってきて調整する感じでいいだろう」

「うん、そうだね。アルベリヒの配下次第――動き次第という所もあるし、ある程度は臨機応変に対処していくしかないと思う」

「その通りですわね。で、私は向こうへ戻ったらアルベリヒの配下の動きを探りつつ、帝都内へ向かう事にしますわ。何か妙な動きなどを確認した場合は、こちらで伝えますわね」

 ラディウスに対してセシリアとイザベラが同意しながらそんな風に言った所で、

「ところで、私と入れ替わる形になるディーゲルさんは、クレリテたちが拠点――あの宿まで連れて行くって事でいいのよね?」

 という問いの言葉を投げかけるルーナ。

 

「だわだわ。私とリゼで連れて行くのだわ。更に入れ替わる場所が変更になった場合に備えて、ザイオンやテオドールたちが周囲の警戒に当たりつつ、いつでも護衛役を代われるようにしてあるのだわ」

 そう告げてきたクレリテに対してルーナが「なるほど、さすがねぇ」と返す。

 そして、それに続いて今度はメルメメルアが、

「ちなみに……ですが、ディーゲルさんの娘さん――クローディアさんは、大丈夫そうです?」

 という問いの言葉を発しつつ、リリティナとカチュアを交互に見る。

 

「まだ寝ていますが、問題はありません。お父上――ディーゲル様が来るまで、しっかりとカチュアさんと一緒に見ておきます」

「ですです。こちらは任せてくださいです!」

「はいです。よろしくお願いするのです」

 リリティナとカチュアの返答に対してメルメメルアがそう返すと、ルーナがそれに続いて言葉を紡ぐ。

「さっきラディが言った通り、何かイレギュラーな事が発生した場合は、再びこっちへ来て伝えてね」

 

「わかりましたです! 何かあったらすぐに伝えますです!」

 カチュアがルーナにそう返事をした所で、

「こっちの準備も万端なのだわ。いつでも開始して大丈夫なのだわ」

 と告げるクレリテ。

 それを聞いたイザベラが、ふと思った疑問を口にする。

「……これ、そちらが先に動き出してそのまま待っていたら、作戦の結果が分かったりしないんですの?」

 

「どれだけ待っても私たちは『向こうで開始を待っている状態』から変化しないのだわ。……ちなみに、なにがどうなってそうなるのかは、聞かれても答えられないのだわ」

 クレリテはそんな風に説明すると、両手を左右に広げて首を横に振ってみせた。

 そしてそれに対してイザベラは、

「そうですの? それはつまり……こちらが動き出すまで、まるで時が停止しているかのような状態になっている……? ……わけがわかりませんわね……」

 なんて事を呟くように言って、何かを考え始める。

 

 ラディウスはそんなふたりのやり取りを聞いて思う。

 

 ――なんというか、まるで地球にいた頃にプレイしていたゲーム……RPGみたいだな。あれらはまさに『話しかけるまでストーリーが進行しない――時が進まない』し。

 

 と。

 

「ま、その辺りはたしかに謎すぎるが……ここでどれだけ考えても、その謎の答えは出ないだろうし、今は一旦横に置いておくしかないな」

「それはまあ……そうですわね」

 イザベラはそう言ってラディウスに肯定すると、

「……っとと、話がそれてしまいましたわね。失礼しましたわ。続きを話してくださいな」

 と言葉を続けながらセシリアを見る。


「えっと……それじゃ話を戻すけど、第1段階はルーナとディーゲルさんが入れ替わるまでで、そこから先は第2段階になるよ。想定している流れは、再度クルマでノースロードエンドに移動して、更にそこから帝都内へ入り込むっていう感じね」

「どうやって帝都内へ?」

 セシリアの説明を聞いたルーナがもっともな疑問を口にする。

 それに対し、クレリテがセシリアに代わって、

「それに関しては、ノースロードエンドにルティカを待たせておくのだわ。接触して欲しいのだわ」

 と、そんな風に告げた。

 ラディウスはその言葉を聞いて思う。


 ――そう言えば、ルティカはアルたちと共に帝都で活動していると、前にザイオンが言っていたっけな。

 既に帝都へ潜入するルートを確保しているとはさすがだ。

 

 と。

思ったよりも説明が長くなってしまったので、ここで一旦区切りました……


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなります、4月4日(木)の想定です!

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