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第4話 レヴァルタの真実。リリティナの幻体。

「宿の地下に『作戦会議』が出来そうな部屋があるとはな……」

 ラディウスが案内された地下の部屋を見回しながらそんな風に呟く。

 するとそれに対し、

「ええ、まさに仰る通り、ゼグナム解放戦線の作戦会議の場としても使われる事がありますね」

 と、テオドールが頷きながらそう返事をした。

 

「盗聴とか盗撮とかを防止するガジェット――常駐魔法が幾つも展開されているわね。たしかにここなら、話が外に漏れる事はなさそうだわ」

「見ただけでそれが分かるルーナさんに驚きですけどね……」

 ルーナの発言を聞いたリゼリッタがそんな風に返すと、

「そうかしら……? ラディも当然普通に見ただけで分かるだろうし、メルやイザベラもそうだと思うけれど……」

 なんて言いながら、メルメメルアとイザベラを見るルーナ。

 

「まあ、たしかに全部把握出来ていますわね。ついでに言えば、全て無力化するのはさすがにちょっと厳しいですけれど……半分くらいならば、どうにか出来そうですわ」

「いきなり無力化しようとすんな……。その無効化出来そうなのって、どうせ静寂魔法を応用した防音障壁とか幻影魔法と幻霧魔法を合わせた隠蔽障壁とかだろ? たしかに少し穴があるけど、そこを埋めてしまえば無効化出来なくなるんじゃないか?」

「むぐっ……! た、たしかにそうですわね。術式の条件の隙間を潰されたらどうにもなりませんわね……」

 イザベラとラディウスがそんな事を話しているのを聞き、

「え、えっと……私はラディウスさんやルーナさんほど完璧ではないのです。それなりに分かる程度なのです」

 などと、申し訳なさそうに言うメルメメルア。

 

「いや、うん。それでも十分すぎると思うよ……? というか、ふたりともこんな所で諜報合戦――穴の破り合いみたいな事しちゃ駄目だから……」

 セシリアが珍しく呆れ気味にラディウスたちへツッコミを入れ、

「そ、それもそうですわね……」

「た、たしかにそうだな」

 と、そう返すイザベラとラディウス。

 

 しかしすぐにふたりは、

「とはいえ……気になる物は気になりますし、その『穴』を埋めておきますわね」

「そうだな。セキュリティを高めるのは悪い事ではないしな」

 なんて事を言って、部屋に展開されている魔法を改造し始める。

 

「……え、えっと……勝手に改造していいものなの……?」

 セシリアが、そんな風に呟くように言いながらテオドールとリゼリッタを見ると、

「……まあ、その、むしろありがたい事ではありますので……。ラディウス殿の仰る通り、セキュリティが高い分には何も困りませんし、むしろ安全にここで話が出来るというものですから」

 と、若干苦笑気味に答えるテオドール。

 

 そうこうしているうちにも、部屋のセキュリティはふたりのハイレベルすぎる技術によって、完璧なものへと変化していくのだった。

 

                    ◆

 

「――さて、セキュリティも万全になった所で、レヴァルタの話をしますわよ」

「あ、リリティナを直接見聞きして話を出来るようにするから、ちょっと待ってくれ」

 イザベラの発言に対してラディウスはそう言うと、ふたつのガジェットを取り出した。

 ひとつは封魂術のガジェット――リリティナの魂が封じられている器で、もうひとつはラディウスがイザベラの到着を待つ間に作った物だ。

 

「そっちの封印魂術のガジェットは良いとして、そっちのガジェットは一体なんですの? どんな魔法が?」

「ああ。これは『ここ』に封じられている魂をホログラム化――要するに、一種の幻体を生み出す魔法を発動させるガジェットだ」

 イザベラの問いかけに、ラディウスは封魂術のガジェットを指差しながらそう答えると、即座にガジェットを起動させた。

 

 と、その直後、封魂術のガジェットの真上に、リリティナの姿が小さく――人形くらいの大きさで浮かび上がる。

 そして、

「先日の実験の際にも思いましたが、やはりこれは不思議な感覚がありますね……」

 と、リリティナが言葉を発する。

 

「ふぅん、なるほどですわ……。これはまた面白い術式ですわね」

「見て分かるのね……」

 イザベラの発言に、ルーナが肩をすくめながらそう言うと、

「それはそうですわよ。これ、私の生み出した術式の一部が改造されて使われているんですもの、完璧とは言い難いですけれど、ある程度は分かる所があって当然というものですわ」

 なんて事をサラッと返すイザベラ。

 

「ま、さすがに分かるか。――ともあれ、これで準備は万全だ。それじゃあ改めて話してくれ」

「個人的には、この術式が気になる所ではありますけれど……まあ、後でじっくり見させてもらうという事で……先にレヴァルタについて……というか、私の過去のあれこれを含めて、お話しいたしますわね」

 ラディウスに対してそう返事をすると、イザベラはゆっくりと語り始めた――

思った以上に会話が長くなってしまいましたが、どうにかこうにか、『話を始める所』までこの話に収めました……(……本題とも言うべき『話の内容』にまでは、入れませんでしたが……)


とまあ、そんな所でまた次回! 次の更新も予定通りとなります、12月28日(木)の想定です!

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