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第3話 遺跡を調べる。そして見つける。

 ――やたらと暴れ狂っている奴や、電撃を纏っている変な奴までいるな……

 リビングアーマーがいた事を考えると……こいつらにもなにかの魔法が付与されていて、その影響が出ている……のか?

 

 ある程度見て回った所で、ラディウスは感じた疑問に対してそう推測。

 魔法ならば……と思い、マリスディテクター・改を発動させる。

 

 ――やはり魔法……正確に言うなら、常駐魔法のガジェットか。

 ……だが、ガジェットを身に着けているようには見えないな。

 反応がある場所には何もないし、一体どういう……って、待てよ……?

 たしか、これと同じような感じのを時を遡る前に見た事が……。あれはたしか……

 

 じーっと檻の中の魔物を観察するラディウス。

 すると、その魔物の脚に、縫合したような後があった。

 それで全て理解する。

 

 ――やっぱりそういう事かっ! こいつらはガジェットを身に着けているんじゃないっ!

 その皮膚の下――体内に埋め込まれているんだっ!

 そして、おそらく暴れ狂っている奴らは、埋め込まれたガジェットが発する魔力に、内側から絶え間なく晒され続けた結果、肉体や精神が耐えきれなくなった……といった所だろう。

 って……。まさか、伯爵がこの遺跡に教会の人間を呼んだのは……実験体として使うため……か?

 

 頭に浮かんだその可能性が現実でない事を願いながら、広間を走って見て回るラディウス。

 だが、広間を隅から隅まで見ても、人の姿はなかった。

 

 ホッとしつつも、可能性を否定しきれないラディウスは、広間から先に進む道はなさそうなので、一度階段の上――分岐まで戻り、通路を更に奥へと進む。

 

 と、しばらく進んで角を曲がった所で、再び通路が分かれていた。

 そして、片方の通路は先ほどと同じく、少し先で階段になっている。

 ラディウスは同じ構造の広間があるのではないかと考え、そちらへ進む。

 

 階段の先はラディウスの予想通り広間があった。

 だが、そこには誰もおらず、檻もない。

 その代わり書架が並んでおり、良くわからない古い本が収められていた。

 

「ここは書庫……か?」 

 そう呟きながら、一番近くの書架に収められている本を眺めていく。

 

 ――ガジェットや古代文明に関する書物に、魔物や動物に関する書物。それから薬師向けの人体や薬に関する書物まであるな……

 ん? なんだか随分と薄い――厚紙を表紙と背表紙にして紐で結んだだけの物があるぞ……? なんだこれ……

 

 ラディウスは書架の端に収められていたそれが気になり、手に取って開いてみる。

 

 ――って、これは俺が魔法やガジェットに関する考察を纏めた奴……の写しじゃないか……。なんでこんな物がこんな所に……?

 

 気にはなったが、ここで立ち止まっていてもその疑問は解決しないので、ラディウスはそれを書架に戻し、広間の奥へと進む。

 すると、先程の広間にはなかった更に奥へと続く通路があった。しかも2つだ。


 ――マリス・ディテクターがリビングアーマーの存在を捉えているな……

 あえて反応のある方……こっちへ行ってみるか。

 

 そう考えたラディウスは、リビングアーマーとの距離をマリス・ディテクターで確認しつつ、慎重に通路を進む。

 彼我の距離が100フォーネを切った所で、左右に牢屋の並ぶ監獄のような場所に出た。

 

 ラディウスは歩いているリビングアーマーの存在を確認。

「エンハンスイレーサー・改!」

 先手必勝とばかりにそう言い放ち、リビングアーマーを瞬殺する。

 

 と、その直後……

 

「な、なんだ!? 鎧の兵士が粉々に……!?」

「まさか、助けが来たのか!?」


 そんな声が聞こえてきた――

遺跡の話も折り返しです(一応の予定では、ですが……)

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