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第13話 隠れ拠点。完成と問題。

「これで全工程完了したけど……。完成……で、いいのよね?」

「ああ、バッチリだ。これで後は妖姫にちょっと対応して貰えば、無窮の混沌からリリティナとカチュアを引っ張り出す事が出来る」

 ルーナの問いかけに対し、ラディウスはそう言い切る。

 

 否、敢えて言い切ったというのが正しい。それは――

 

 ――実際にはぶっつけ本番に近いし、原理としては間違いはないはずだが、本当に大丈夫なのかという不安はある。

 だが、それを皆に感じさせてしまうのは、精神的に良くないからな。

 誰かの力を借りなければならない時に、マイナスの話をすれば、その相手もマイナスの思考になってしまうというものだ。

 だから、敢えて自信を持って……自信満々に言う方が良い。

 それに……失敗するつもりなんぞ一切ない。

 仮に何かイレギュラーが起きたとしても、それをリカバーする事が出来る方法も、既に考えてあるしな。

 

 というラディウスの考えからだ。

 もっとも、半分くらいは自分に対する『言い聞かせ』の面もあるのだが。

 

「それ、アルフォンス猊下たちから妖姫に伝えて貰わないといけないよね? ザイオンを呼んで話してみる?」

「そうだな、ザイオンから伝えて貰うとしよう。早速、伝声管で呼んでみるとしよう」

 ラディウスはセシリアに対してそう返事をすると、ザイオンに言われた通り、3と記された伝声管へと歩み寄り、問う。

「ザイオンを呼んで貰えませんか? 頼みたい事がありまして」

 

 すると、即座に伝声管の伝達要員と思われる青年の声が返ってくる。

「少々お待ち下さい! 今、呼んでまいります!」

 

 そして数分後――

「そちらに直接向かうとの事です! そのまま今しばらくお待ちください!」

 という声が聞こえてきた。

 

 ラディウスは青年に対してお礼を述べると、言われた通り、他の面々と共にザイオンが来るのを待つ。

 

「……そう言えば、ひとつ問題が残ったままじゃない……?」

 ふとそんな事を口にしたセシリアに、

「えっと……? 問題とはなんでしょう? です」

 と、よく分からずに首を傾げるカチュア。

 

「向こうの世界のスパイの問題だよ」

「あっ、そうか……。たしかにそうだな……。妖姫に話をするのはザイオンを経由すれば問題ないと思うけど、無窮の混沌から引っ張り出す時に妨害されたりすると面倒だな」

 セシリアに言われ、ラディウスがカチュアの代わりにそんな反応を示す。

 

「ええ、その通りね。さすがに何の対策もせずに実行に移すのは、ちょっと危険な気がするわ。誰がどういう方法で監視しているのかが分かれば、対処法も思いつきそうだけど……」

 ルーナが顎に手を当てて考えながらそう口にすると、セシリアはそれに対して、

「そうだね。でもまあ、もしそこまで判明したのなら、それはもう先に直接潰しておく方が早いと思うけどね」

 と言って肩をすくめてみせた。

 

「ザイオン――というか、テオドールさんが即座に対処せずに警戒しているという事は、直接監視されているというわけではなく、なんらかの方法を用いた遠隔での監視――間接的な監視だと考えていいと思うんだが、どうなんだろうな?」

 などという問いの言葉を口にしたラディウスに対し、セシリアが答える。

「ザイオンからさっき教えられた感じだと、多分その考えで合ってると思うよ」

 

「うぅむ……。魔法ならどうとでも出来るが、それ以外の方法が用いられていると厄介だな」

「たしかに、なのです。どうにかしてその辺りの情報を得たい所なのです……」

 ラディウスに続くようにしてそうメルメメルアが呟くように言った所でザイオンが現れ、ラディウスたちの姿を見回しながら、

「なにか用があると聞いて来た……んだが、揃いも揃って一体何を考え込んでいるんだ?」

 と、そんな風に問いかけるのだった。

なんというか……想定よりも思考と会話が長くなってしまい、あまり進展のない回に……


ま、まあ、そんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなりまして……10月26日(木)を予定しています!

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