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第3話 隠れ拠点。素材とセシリアとアレ。

「それでは行きましょうか」

「はいですです。案内、よろしくお願いしますです」

「はい。少し迷いやすいので、おふたりともしっかりと私の後ろに着いてきてくださいね」

「了解なのです」

 カチュアとメルメメルアは、やって来た案内人はそんな会話をすると、共に通信装置のあるという作戦会議室へと向かうべく、部屋を出ていく。

 

 それを見送ってしばらくした所で、ラディウスとルーナがガジェットを作るのに必要な素材を紙に記載し終え、

「さて、とりあえず必要そうな素材はこんな所か」

「ええそうね。この素材がここにあればいいんだけれど……」

 と、そんな風に言った。


「ザイオン、これらが欲しいんだがあるだろうか?」

 ラディウスがザイオンに声をかけ、問う。

 しかし、その紙を見たザイオンは難しい顔をしながら、

「う、うーむ……。俺ではどれがどれだか分からんな。分かりそうな奴を呼んでみるか……」

 と、もっともな言葉を口にした。

 

「それ、ラディとルーナで取ってきた方が早いんじゃ……? 倉庫って勝手に入ったら駄目な感じなの?」

 セシリアがやれやれと言わんばかりの表情でそう問いかける。

 それに対してザイオンは、

「いや、ラディとルーナなら好きに入って貰って構わないぞ」

 と返事をすると、自身のストレージから鍵を取り出す。

 そして、

「そうだな……この部屋を出て右に真っすぐ行った突き当りがそうだから、迷う事もないだろうし、セシリアの言う通り、自分で見に行ってきて貰えるか? これが鍵だ」

 と告げながら、その鍵をラディウスへと手渡した。

 

「ああ、すまんな。ルーナ、早速行って確認してみるとしようか」

「そうね。全部あれば一番だけど、なかったら調達しないといけないしね」

 ラディウスとルーナはそんな風に言った所で、

「あ、ラディ、ついでで悪いんだけど、『雑記帳の写し』を作りたいから、お父さんが良く使っていた『アレ』を持ってきてくれる?」

 と、セシリア。

 

 ――うん? アレ? アレってなんだ? そもそも、雑記帳の写し……?

 

 セシリアの言葉の意味が分からずに思考を巡らすラディウスだったが、ふと『ある事』に気づき、「ああ、わかった。あったら持ってくる」と返事をして、早速倉庫へと向かう。


                    ◆

 

「――さて、必要な素材はこれで全部揃った感じだな。……本当になんでもあるな」

 ラディウスが倉庫内を見回しながらそんな風に呟くように言うと、

「そうね。結構貴重な素材まで置かれているのが驚きだわ。しかも無造作に」

 と同意しながら、棚に置かれている素材に目を向けるルーナ。

 そして、

「――ところで、アレとやらはいいの? 残念ながら、私には何の事だか分からないけど」

 と、問いかける。

 

「ああ、アレか。アレは……暗号だな」

 サラッとそんな風に言うラディウスに対し、ルーナは理解出来ずに首を傾げる。

「え? どういう事?」


「雑記帳の写しっていうのは、セシリアの親父さんが俺が纏めた魔法に関するアレコレを写した物の事だ。で、その親父さんだが……俺も詳しくは良く分からないんだが、それが遠因となって『暗殺』されたらしい」

「そ、そうだったのね……。でも、それがどういう意味を……」

 ラディウスに説明されたルーナが、そこまで口にした所でふと気づく。

 そして「って、まさか! あんさ――」と、声を上げた。

 

 しかし、すぐにその声が誰かに聞かれたらまずいという思考が働いたらしく、最後まで言い切る前に、ルーナは自分の口を両手で抑える。

 そんなルーナに対してラディウスは一応周囲を確認すると、

「――そう、『暗殺』という所に意味があるのだろう」

 と、頷きながら告げた。

 

「やっぱりそうなのね……。でも、そうなると、暗殺者が潜んでいるって事になるわよね? 一体誰を狙って?」

「この場合の暗殺は、誰かひとりを狙ったものではないんじゃないかと思う」

「誰かひとりを狙ったものじゃない? ……え? もしかして、この拠点自体を暗殺――いえ、破壊しようとしている……という事?」

「まあ、そこまでやろうとしているのかどうかは分からないが、この拠点に対して害をもたらそうとしている人間がいるのは間違いないな」

 ルーナの問いかけに、ラディウスは腕を組みながらそう答える。

 そして……

 

 ――だが、このタイミングで……というのが、どうにも気になるな……

 

 と、そんな事を思うのだった。

何やらきな臭い(物騒な)話をしていますが……?


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も平時通りの間隔となりまして、9月21日(木)を予定しています!

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